ピアノの性能を最大限引き出すために

Tuning & Maintenance

相性の良いピアノとの出会いのために

Choosing a piano

ピアノ日誌

Piano Diary

Home>ピアノ日誌

今回が初めてのお客様の1日メンテナンス(大阪編)

 

今朝の大阪のなんとか公園・・・ど忘れしましたが、満開の桜がとてもきれいでした。春はいいですね。
今年はまだ花見をしていないので、時間ができたら子どもたちを連れてのんびりと過ごしたいなと思っています。岡山の桜はいつまでかな。。。

というわけで、今日は、昔、奥様がお使いになっていて長く弾かれていなかったピアノですが、このたびお子様がお弾きになることになり、お客様からきちんと弾けるようにとメンテンナンスのご依頼をいただき、場所は大阪ですが、出張の便を利用して取りあえず1日かけて調整を行いました。

 

まずはピアノの状態チェック。

鍵盤を持ち上げるとほぼ全ての鍵盤が下りてこない状態、予想通りでした。

 

 

 

アクションの裏を見ると、本来白いはずの紐が茶色に変色して切れています。
フレンジコード(バットスプリングコード)といいまして、弦を打つハンマーが前進したのを、後ろに戻す役割のスプリングを固定するための紐です。
もちろん連打も出来なくなりますので、今回はこのフレンジコードの貼り替え修理から行ないました。

 

 

 

作業しやすい状態にハンマー類を外して、

 

 

アセトンを茶色いコードに含ませ古い接着剤を溶かしてコードをこそぎ取ります。

 

 

新しいコードを1本ずつ付けて接着します。

 

 

 

ビフォーアフターです。

 

 

 

 

ハンマーについた古い弦の溝も紙ヤスリで削り新品の形状にリセット。

 

 

 

ついでにダンパーの雑音もあったので、水色の凹んだ部分の掃除。
この部分から「バリバリバリ・・・」と雑音が出ることが多いのです。

 

 

またまたついでにダンパーペダルを操作する突上げ棒(左の棒)のゴムキャップも古くなっていたので新品に交換。ゴムなので経年劣化するのです。

 

 

 

ビフォーアフター。
鍵盤下の掃除とキーピン(金属のピン)を研磨。

 

 

 

 

鍵盤を取り付け、まだ下りてこないこの鍵盤88鍵を1鍵ずつスムーズに下りてくるよう調整。

 

 

 

 

きれいに整形したハンマー88個を弦の最適なポジションにあたるよう1つずつ調整。
このような紙(のり紙)を挟んでハンマーの動く方向を調整します。
全てハンマーのど真ん中に弦が当たるように調整(弦合わせ調整といいます)

 

 

 

 

低音弦が全てボン線(叩くとボンボンという音できちんと発音しないのでこのようにいいます)なので、一度緩めて弦を叩きながら引っ張り全て復活させました。

 

 

今日は8時間でここまでしかできなかったので、また来月お伺いして続きの調整をすることに決まりました。次回楽しみにしててくださいね。
今日はお世話になりました。

 

 

 

余談ですが、昨夜10万キロ突破しました。
この写真撮るために道路脇に一時停止しました。

 

 

>>>メンテナンスに必要な作業とは?

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


定期メンテナンスで京都に来ています。

 

ピアノ架台とピアノマスク付きディアパソンD164-R

 

 

空調管理も行き届いてピアノの状態も良くスムーズに調整することが出来ました。

 

ピアノを弾かれる奥様は今年無事にかわいい赤ちゃんが産まれました。おめでとうございます!
24時間付きっきりなので今はあまりピアノの時間がとれないと思いますが、いつでも気持ちよく弾けるようにピアノのコンディションだけは整えておきます。
今日はお世話になりました。

 

 

>>>ピアノの空調管理

>>>マスクピアノとピアノ架台の防音対策

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


楽器業界の偉大な経営者、梯氏が亡くなられましたね。

電子楽器メーカー、ローランドの創業者
梯郁太郎氏(かけはし・いくたろう)

私的には故、松下幸之助氏、本田宗一郎氏と並ぶ偉大なる創業経営者のように思っています。

今はもうローランドとはご縁がないのですが、昔、梯氏が会長時代には弊社にもたびたびご来店頂き、お昼には近くの安価なセルフのうどん屋さんにご案内したことがありますが、珍しいということで喜んで頂いた思い出があります。

このように全国の販売現場を会長自ら回ることを、ローランド社内では水戸のご老公にたとえて、ご老公が行くという表現をしていたのを憶えています。

彼は今で云うカリスマ経営者ですが、さすがにどんなにお金持ちで偉くなっても腰が低く、体力と時間が許せば自ら販売の最前線をまわり、売り場の女の子にも優しく声をかけて、現場の生の声を聞いて回られていました。

私はかつてローランドの世界の販売店が集まるディーラーミーティングにも参加したことがありましたが、海外のディーラーの社長さんからも、梯さんは特別に尊敬と信頼され高く評価されていました。

ちなみに梯さんは独学で英語をマスターした(ご本人の弁)カタカナ英語でしたが、そのカタカナ英語で一人で海外に売り込みに行かれたようですので、流暢な英語でなくも大丈夫と梯氏を見ていて思ったものでした。

私には今のアコースティックのピアノ業界で梯氏に近いイメージを持つ人として、ファツィオリピアノの創業者のパオロ・ファツィオリさん、ペトロフピアノの創業者の5代目社長のスザンヌ・ペトロフさんの顔が浮かびます。

お二人とも梯氏と同じように腰が低く、現場の人間の声にも謙虚に耳を傾けてくれます。
 
あらゆる組織はトップで99%決まると云われていますので、素晴らしいトップがいる会社の製品は信頼がおけますし、会社も発展します。
その意味でも電子楽器業界の偉大なるトップの梯氏が亡くなられたのは残念です。

お薦めブランド ペトロフピアノ

お薦めブランド ファツィオリピアノ

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノ日誌Piano Diary


不要・中古ピアノ買取
ピアノ聴き比べ