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ピアノの弾き比べ、聴き比べで決定的に欠けていること

よくYOUTUBEで聴き比べ、弾き比べの動画がアップさせていますが、いつも疑問に思うのはいったい、それらのピアノはどこまで整調や整音がされているのか?ということです。

ピアノという楽器は、整調や整音で別物のように音色もタッチも変わりますので、弾き比べや聴き比べをする際には整調や整音が決め手になります。

例えば弦楽器や打楽器は、演奏者自らの腕や指で音色や響きを作っていきますが、ピアノは鍵盤を通じてリモートコントロールでしか打弦できません。



なのでいかに名ピアニストであれ、ピアノの性能に頼る部分が他の楽器に比べて大きいので、高名なピアニスト(高額ギャラ)の場合は、コンサートツアーには専属調律師が同行しますが、これは専属調律師は演奏者の好みタッチと音色を良く知っているので、演奏者に聞かなくて短時間で演奏者の好みに整えることができるために、演奏者はコンサートで安心して演奏に集中できるからですが、こんなことはピアノ以外の楽器には考えられないことです。

ところで一人前の調律師になるには専門学校を卒業後、どんなに器用な人でも最低5、6年の基本的な修業期間が必要ですが、多くは新人にすぐに外回りで有料調律をさせるので、結果としてきちんとした基礎技術を身につけた調律師がほとんど育っていないのがピアノ業界の一番の問題です。



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植田 信五


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