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インシュレーターを木製にすると響きが改善される!

インシュレーターは、ピアノの下についているキャスター(UPで4個、グランドで3個)で、ピアノを固定させるために敷くお皿のことです。

木製(無垢の掘り出し)のインシレーター

木製インシュレーターの裏側


国産メーカー純製のプラスティックのインシュレーター


プラスティックのインシュレーターの裏側


ヤマハ、カワイのメーカーもインシュレーターには、新品ピアノに付属品としてついているのはプラスティックのインシュレーターです。

浜松ピアノ店で販売する新品ピアノと多くの中古ピアノには、あえてこの木製インシュレーターを付属品としてつけています。

プラスティック製がセット価格で¥600~¥1.200に対し、木製は¥6.000~10.000-と価格は約10倍ほど違いますが、絶対金額はたいしたことはないので、弊社が販売するピアノには、あえて響きが良くなる木製にしています。

過去に木製(無垢)のインシュレーターのご注文をいただき、お送りしたユーザーの方から交換後の使用レポートを頂いたものがありますのでご紹介したいと思います

浜松ピアノ店 植田信五様

お世話になっております。
インシュレーターをご製作、ご配送頂きまして、ありがとうございました。

結果は五重丸です!!!本当に良かったです。





●一番気になっていた中低域のこもりと、
床からの変な共振(?)が全くなくなりました。
STEINWAYならではの、このあたりの音の分離がとてもよくなりました。

●低音が、明るい響きになりました。
全域にわたって良い意味で軽さが出て、ピアノが若返った感じです。

●演奏している自分によく音が聴こえるようになりました。
D型はホール向けの遠鳴りが使命なのだから、自分に聴こえなくてあたりまえ、と思っていました。

●表現が難しいのですが、弦の長さを感じるというか・・・
低域は左の向こうのほうから聴こえ、高域は右の手前から聴こえ、
明確に場所がわかる感じで立体的です。音域による時間差もわかります。

●全域にわたり、はっきりしたので、
同時に弾いた和音は同時に鳴り、バラシた音はバラけます。
当然の事ですが、そういったニュアンスがラクにつけられます。
今までどうしても団子になってしまうトリルの箇所も、一挙に解決です。
こうしている「はずなのに」というストレスがなくなり、「した事」は必ずそのように出てきます。(なので当然「してしまった事」もそのとおりに出ます)

●鍵盤の感触が硬くなったというか、
アクションがぐっとひきしまった感じです。これは驚きです。

というわけで、ウチのD型は、先日オーバーホールしたのですが、ハンマーはそのままです。この年代の楽器の太く豪快な鳴りは健在なのですが、独特のこもり(ピアノに顔を近づけて聴くと全然大丈夫なのに、演奏する位置だと気になる)と、アクションのどこかぬめっとした感じがどうしてもとれなかったのです、これが一挙に解決しました。

中略

どうもありがとうございました!
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

個人差はあると思いますが、敏感な方の中には、こんな風に感じられる方もおられるようです。

インシュレーターの交換も小さな改善ですが、内部に複雑な構造を持つピアノという楽器は、メカニズムの丁寧な調整や適切な整音で初めて気持ちが良いピアノになるということをご理解いただければ幸いです。

当店でピアノを選ぶメリット

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


シゲル・カワイとヤマハSシリーズの生産完了について

生産完了になったヤマハの高級グランドピアノSシリーズ


最近、話題になってきたカワイ楽器のシゲル・カワイシリーズ


両者ともグランドピアノの高級版としてライバル関係にありましたが、今ではシゲル・カワイが話題になり、ヤマハのSシリーズは生産完了になっています。

原因はいろいろあると思いますが、ヤマハのSシリーズはヨーロッパ製輸入グランドをターゲットにした価格設定なので高価、シゲル・カワイは、それらより安価というものもあります。

私見ですが、両者ともレギュラーシリーズより高級な響板やハンマーを使用しているというのは共通ですが、一番の違いは、シゲル・カワイの方は、カワイの中でも特別優秀な技術者に、丁寧な調整をさせているという違いですが、ピアノはこれが王道のように思います。

かたやSシリーズの場合は、調整という意味ではほとんど差別化されず、単に高級な部材を使っているだけなので、仮に比較試弾をされても、演奏者にとってはレギュラーシリーズと大きな違いを感じられなかったのが原因かと思います。

ただ丁寧な調整をすると云っても、言葉で云うのは簡単ですが、現実にはそれができる技術者は極めて少数で、たとえばカワイの場合では大阪に二人しかおらず(ちなみに岡山県にはいませんので、大阪からメンテナンスに来ます)、この二人の技術者がメンテナンスも関西と中四国、山陰を回るのですが、人数的にはヤマハにしても同じようなものかと思いますが、大手メーカーの立場から考えるとこれも大変です。

何が云いたいかというと、単に高級な部材を使っただけでは快適なピアノにはならず、いかなるピアノであれ、ほんとうに丁寧に調整してやると、それなりに魅力的なピアノになります、この明白な事実をほとんどの方にご理解頂けていないことが残念でなりません。

当店でピアノを選ぶメリット

YOU TUBEで詳しくご案内しています。
ピアノの調律とメンテナンスについての詳しい解説

 

 

 

 

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


弾きにくいピアノを直してほしい

 

 

“弾きにくいピアノで困っている”

 

とメンテナンスの依頼があり、昨日は兵庫県神戸市A様宅へ行ってきました。

これまで調律だけのメンテナンスを繰り返した結果、鍵盤が重くて弾きにくく音色もバラバラ、音量もダウンした状態に。

おまけに(効果のない)乾燥剤まで入っていました。

 

 

 


土台の鍵盤の下です。
かなり錆びついていたピン176本を、1本ずつ磨き上げました。青錆びもあったのでこれだけで2時間かかりました。

これまでのメンテナンスは調律のみで、整調・整音は皆無です。

鍵盤は重く反応も悪くて小学5年生のMちゃんは困っていたそうです。

 

そして調整後、Mちゃんに確認してもらうと、「凄い弾きやすくなった、別のピアノみたい!グリッサンドも全然痛くない!」と喜んでいただけました。

今回全部やれなかった整調工程の残りを、次回に少しずつ行なうことにしました。
これによりまだまだピアノの性能はアップしますよ。

 

 

 

 


さて、本日最終日は昨日に引き続き、
兵庫県は高砂市S先生宅、明石市W様宅です。

S先生は、「音色を全体的に柔らかくしてほしい」

W様は、「ペダルの音が気になる」との要望でしたので、それぞれに合ったメニューで調整しました。

 

 



S先生宅にて、鍵盤のガタつき(横にガタガタ動く状態)を直しました。

 

 

 

弦を打つハンマーフェルトを柔らかくして、全体的にまろやかな音色にしました。

 

 

 

W様宅にて、パーツを磨いて雑音を取るため、ペダルを分解しました。

 

 

 

錆びついたチューニングピン230本とペダルを磨き上げました。

 


あっという間の2日間でした。

芦屋市O様、神戸市A様、高砂市S様、明石市W様

みなさまありがとうございました。

 

>>>メンテナンスは整調・調律・整音の3点セット

 

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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