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ピアノという楽器の不完全性

みんなのピアノ選びから抜粋

ピアノという楽器の不完全性

某楽器店で高級ピアノを新品購入されたお客様のエピソードをひとつご紹介します。

その方はショールームのピアノを試弾した際に、幾つかの音に混じる金属的な響きが気になって質問したところ、「調整したら直りますから」と販売スタッフに言われてそのピアノの購入を決めたそうです。

ところが納品後に調律師がいくら手を入れても一向に直らず・・・。
しまいには返品するしないのクレームにまで発展したそうです。

そのピアノや調律師の仕事内容に関しては実際に確認していないのでコメントを控えます。

私が一番に問題と感じたのは、販売スタッフが安易に調整で直る、と説明した点です。何とかして売りたい気持ちは分かりますが、余りにお粗末でプロ意識に欠ける対応に思います。

正直なところ音の凸凹を整える調律師の立場からすると、調律・調整で音質のバラツキを全て解消することが困難な場合も存在します。

よりダイナミックな音量、音響を求めて現代のピアノはフレームや弦等に金属素材を多用するようになりました。それゆえ音を鳴らしたときに時折その接点で金属的な響きが発生するケースがあります。

調律師は異質感が目立たないように技術を駆使(整音作業)して対処するのですが、ピアノの出来によってはそれにも限界が・・・。

ユーザーの皆様にはぜひピアノという楽器の繊細さと構造的な特性をご理解頂けると助かります。

音に敏感であると自負される方、じっくり一音ずつ吟味して調律師と相談しながらピアノを選んでみては??

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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