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音の“好み”は人それぞれ

みんなのピアノ選びから抜粋

「ホロヴィッツのピアノに関しては、彼の好みに従って、彼が好む音色を出せるように調整してある。しかし、誰もがホロヴィッツのピアノの音色を好む必要は全くないのだ。」
フランツ・モア著/イーディス・シェイファー構成/中村菊子訳
『ピアノの巨匠たちとともに』(音楽之友社)より

20世紀を代表する伝説的ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツVladimir Horowitz(1903~1989)。彼が愛したNY製スタインウェイが紡ぎ出す“明るく煌びやかな音色”は多くの聴衆を魅了しました。

しかしホロヴィッツのピアノのような輝かしい音を市販のNY製スタインウェイに期待してしまうと、きっと実物を試弾したとき戸惑うはずです。新品のNY製スタインウェイは柔らかい音質がスタンダードである事実は、まだまだ日本では“知る人ぞ知る”といったところでしょうか。

専属調律師フランツ・モア氏も、ホロヴィッツのピアノは彼の希望に合わせた音色やタッチに調整していたことを著書で述懐しています。

(その悪戦苦闘ぶりを知りたい方はこちらをどうぞ)

 
演奏会やレコーディングに使われるピアノの中には、演奏家(あるいは調律師)の好みに調整されて、メーカー標準の音色と趣きが異なるケースがあります。そうした背景を知らずに「このメーカーの音はこんなものか」と悪く誤解されてしまうと全くもって残念です。

あらぬ偏見を防ぐため、同じメーカーの音源のCDを複数聴き様々な個性を比較し、あるいは平均化することで、各メーカーが目指す音への理解を深めるのも良いかも知れません。

“あなた好みの音”をCDに見つけたなら、思い切って調律師にお願いしてみては?ひょっとしたら憧れの音色を叶えてくれるかも・・・。
ただしホロヴィッツばりに無茶な注文するのはご遠慮下さい(^^;

 
 
 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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