ピアノの性能を最大限引き出すために

Tuning & Maintenance

相性の良いピアノとの出会いのために

Choosing a piano

ピアノ日誌

Piano Diary

Home>ピアノ日誌

グランドピアノ16時間コース2回目

前回の続きです。

 

鍵盤の動きがスムーズになったので次は鍵盤の高さの調整ですが、その前に鍵盤フレームと本体の棚板の隙間の調整です。ここを先にリセットしないと後でやると鍵盤の高さや深さの量が変わってくるので、まずこの「ベッティングスクリュー」というボタンを出し入れして調整します。(※写真がわかりづらいので詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています。)

 

 

次は鍵盤の高さの調整です。これは鍵盤の深さやダンパーのかかり(始動)の調整を正確に測るために鍵盤の高さを揃えます。先ほどの棚板調整のベッティングスクリューが出過ぎていたのでリセットすると鍵盤が1mm以上下がりました。ベッティングスクリューが必要以上に出過ぎると鍵盤フレーム(筬)の手前と奥の部分が浮いて棚板との隙間が出来るのでパワーロスになります。きちんと調整すれば音量アップにもつながります。

 

 

鍵盤の傾きを調整して次に鍵盤の下にある紙を抜いたり足したりしながら高さを揃えます。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説してます)

 

 

高さがそろったら次は鍵盤の間隔の調整です。
フロントキーピンを左右に動かして間隔の調整をします。

 

 

 

次に白鍵の深さ(沈む量)を全て揃えます。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています)
※黒鍵の調整は白鍵とアクションの調整が終わってから最後の方でします。

 

 

 

次は全てのハンマーが弦のど真ん中に当たるように調整します。
ハンマーの傾きや間隔、ハンマーの進行方法も一つ一つ調整します。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています)

 

 

 

ハンマーのポジションが決まったら次はその下にある「サポート」という部品の位置調整です。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています)

 

 

 

次は鍵盤の奥についているバックチェックという部品(黄色が付いてる部品)の位置と傾き調整です。ハンマーが打弦後に受け止められる重要な部品で、無駄なく中心で受け止めれるようにワイヤーを曲げながら調整します。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています)

 

本日2回目のメニューは、

①棚板調整
②鍵盤高さ・傾き・間隔調整
③白鍵深さ調整
④弦合わせ(傾き・間隔・走り)調整
⑤サポート合わせ調整
⑥バックチェック合わせ調整

でした。続きは日曜日に行ないます。ピアノの調整はまだまだたくさんやるべきことがあります。

 

 

>>>ピアノのコンディションを良くするために必要なこと
  ①全体の調整 ②空調管理

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


アンティーク(ビンテージ)ピアノの魅力と問題点

普通の中古ピアノとは違い、100年落ちのピアノをリニューアルしたもの、いわゆるアンティーク(ビンテージ)と呼ばれるピアノは、ノスタルジックな魅力があり、一部のピアノ愛好家に人気があります。


ただ心配なのはピアノの内部には接着箇所が膨大にあり、それらの膠(にかわ)の接着面もさすがに100年も経過すると脆くなっていることです。

ですからファーストピアノではなく、セカンドピアノとして丁寧に使用し、空調管理(温度湿度)も万全を期す必要がありますが、それでも想定外のところが剥がれて故障する可能性があります。







しかも一旦トラブルとなると修理も厄介なことになることが多いので、メンテナンスの大変さ(費用)も頭に入れておく必要があり、それらを勘案してアンティークピアノのメンテナンスは請け負わない調律師も多いので、何かあってもすぐに駆けつけてくれ、面倒な修理も気軽に対処してくれる古いピアノの修理に長けた調律師の確保が必要です。




無料資料の詳しいご案内はこちらから

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


グランドピアノ16時間コース初日目

先日、ピアノ講師の方がピアノの相談でご来店いただき、自宅のヤマハグランドピアノが不調なので直して欲しいというご依頼を受けました。

じっくりお話させていただいた結果、一通り全体の調整をして欲しいということでしたので2日(16時間)コースで調整することになりましたが、丸一日空いている日がないということでしたので、4時間コースを4回に分けてお伺いすることになりました。

 

 

早速お伺いしてピアノの状態を見ると、調律以外の鍵盤やアクションやダンパーの調整(整調)、そして弦を叩くハンマーの形状や弾力の調整(整音)をきちんとされていませんでした。

 

 

 

 

ハンマーフェルトに弦の溝が深く付いているのと中心からズレた型がくっきりとついていたので一度溝を取って新品のように整形することにしました。

 

 

整形後です。これでハンマーの形状はリセットできました(まだポジションや噛み合わせの調整はできてませんが)

次は、鍵盤の下のピアノの基礎の部分です。

 

 

 

埃やゴミと鍵盤にささっている金属のピンが錆びていたのでこれを磨いてリセットです。このピンは鍵盤をスムーズに動かすための重要な部分です。ベトベトしていたりザラザラしていたりすると円滑な鍵盤動作ができなくなります。

 

 

これで176本のピンもピカピカになりました。

 

 

次はこのピンの位置や向きを全て揃えます。

 

本日の4時間メニューは、

①ハンマー整形
②バランス・フロントキー(鍵盤)ピン磨き
③バランスキーピン位置調整
④フロントキーピン方向調整
⑤バランスキーホール(穴)調整
⑥フロントキーホールがたつき修理

でした。続きは明日行ないます。

 

 

>>>ピアノのコンディションを良くするために必要なこと
  ①全体の調整 ②空調管理

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ピアノ日誌Piano Diary


不要・中古ピアノ買取
ピアノ聴き比べ