[ ]ウェンドル&ラングAU-118Whが完成しました

新品ウェンドル&ラングの調整が完了しました。
作業風景をざっくりご紹介します。
まずはアクション・鍵盤を外し掃除にとりかかります。

チューニングピンもピカピカに磨き直します。

鍵盤の穴にたまっている木屑掃除とキーピン(金属のピン)も磨いてリセットします。


フロントピンとバランスピンを定規をあてがって位置と角度を修正。

鍵盤がスムーズに動くようにフロント(手前)とバランス(真ん中)の隙間の調整。

弦が駒から浮いていないかチェック、真鍮棒で軽く叩いて密着させます。
これだけでも調律が随分やりやすくなります。

弦とハンマーのポジション調整。
ノリ紙という数種類の厚みの紙を貼って、ハンマーの進行方向を変え弦のど真ん中にあたるようにします。

低音弦も、正しいポジションに1つずつ修正(上がビフォアー、下がアフター)

ハンマーのポジションが決まったらその下にあるウイペンを真下にくるように左右調整。

鍵盤の高さを揃えました。

鍵盤の間隔も修正(上がビフォアー、下がアフター)

黒鍵も高さも均等に揃えます。

鍵盤奥のキャプスタンを回し上下させてジャックという部品の隙間を調整します。

白鍵の深さを10mmに揃えます。音量・音色にも影響します。

ワイヤーを曲げて、バックチェックのポジション修正。

繊細なコントロールができるように部品のタイミングを揃えるハンマー接近調整。

黒鍵の深さ調整。白鍵同様、緑のクロスの下にある紙を抜いたり入れたりしながら深さを調整。

素早く次の音が出せるようにハンマーストップを揃えます。

上同様2度目の音が素早く出せるようにブライドルテープ(赤いの)の前後左右の位置を調整。

ダンパーが一斉にあがり一斉に弦の振動をとめれるように総あげ調整。
鍵盤からダンパーに触れる瞬間のタイミングも揃えます(かかり調整)

調律を49A=442Hz合わせます。

低音弦の2本、または3本の弦にハンマーが同時にあたっているかチェック、早くあたっているところはヤスリでおとし同時にあたるように噛みあわせを調整します。音色の硬さも調整済み、全体的にしっとりした音色に仕上がりました。

最後にペダルの雑音がかなりあったのでスプリングを外し接触面を滑らかにし完了。





猫脚も素敵ですね、ぜひご試弾ください。
[ ]伝説の調律師 杵淵直知(きねぶちなおとも)氏のご紹介
ウィキペディアから引用
大橋幡岩に師事してピアノの製作技術を学ぶ。1961年(昭和36年)に単身ドイツへ渡り、グロトリアンやスタインウェイといったヨーロッパの代表的なピアノ工場で技術経験を重ねる。帰国後は桐朋学園、NHKホールなどの専属ピアノ調律師として活躍[1]。1964年(昭和39年)から東京ピアノ工業の技術顧問として新しいグランドピアノの製作に従事[2]。1979年(昭和54年)、54歳で脳溢血のため死去。
昭和54年に54歳で亡くなられている方ですので、本でしか知ることができませんが、この方の書いた本が素晴らしいようで、現在のカリスマ調律師、ファツィオリジャパンの越智氏が若い時に彼の本を読んで感銘を受けたという話を聞いた弊社の三木から杵淵氏のことを知りました。
日頃、私がピアノの調整の重要性について語っていますが、そのようなことも含めてピアノという楽器の本質が良く理解できる本のようですのでご紹介しましたが、特に調律師の方に参考になるようです。
今は中古本でしか入手できませんが、アマゾン購入できますので、ピアノという楽器を研究してみたい方はご一読ください。


ピアノの性能を大切にお考えの方に3点の資料を無料進呈しています。


無料資料の詳しいご案内はこちらから




0120-174-016








