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出張メンテナンス in 草津

最終日3日目の午前中は滋賀県草津市K様宅へお伺いしました。

ピアノはシュベスター60、他社で購入したピアノですが、ご縁あって昨年メンテナンスのご依頼をいただき3度目のメンテナンスです。

 

 

 

ピアノを少し狭かった個室から今年に入り開放的な吹き抜けのリビングに移動して音も随分良くなりました。

まずは鍵盤下の掃除からバランスブッシングクロスの圧縮調整。

 

 

 

 

弦への接着面が広くめり込んでいるのもあったので、ハンマーを整形し直しました。

 

 

 

弦とハンマーの距離(打弦距離)もばらつきがあったので揃えました。

 

 

 

調律をしていると息子さんがひょこっと覗いてきました(笑)
わが娘も後ろでK様の奥様が相手してくれて楽しんでます。

毎回手を入れるごとに良くなってきていますが、ハンマーの噛みあわせの調整やその他色々とまた次回することになりました。

K様ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

午後は京都府八幡市I様、ピアノはペトロフP118-C1

奥様が体調を崩してからしばらくお伺いできていませんでしたが、奥様もすっかり良くなり久しぶりのメンテナンスのご連絡をいただきお伺いしました。

わが娘を明るく笑顔で迎えていただき、わずか数秒で娘がなついていました(笑)

 

 

 

 

鍵盤を外して掃除とキーピンのチェック&鍵盤調整

 

 

 

ハンマーが弦のど真ん中に当たるようにハンマーの進行方向をノリ紙という紙を貼って軌道修正します。

 

全てのハンマーのポジションをリセット。

 

 

 

 

ジャック高さ調整

 

 

 

ハンマー接近調整、弦を叩くタイミング・音色もかなり変わるので全て同じタイミングになるように1鍵ずつ調整。

 

 

 

 

打弦後のハンマーのストップ位置を揃えます。

広すぎず狭すぎず且つ同じ位置に揃えることでタッチが揃い連打も素早くだせるようになります。

 

 

 

 

まだ新しいので弦がおちついてなくピッチが437Hzまで下がっていたので、一度下律(20分位で近いところまで弦をもってくる粗調律)を444Hzでとり、2回目で本調律を442Hzでとりました(下律が終わった頃にはピッチが441.5Hzまで下がっていました)

 

 

 

 

少しチリチリした音があったので針でハンマーを少しほぐしました。

 

 

 

父はピアノの音色を作っている中、わが娘はというと、受験生の娘さんと奥様にアイロンビーズを作らせていました・・・。
わがまま娘(はて、誰似?)のお相手していただきありがとうございました。

 

 

 

 

>>>メンテナンスは整調・調律・整音の3点セット

>>>ピアノの選び方とその問題点

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ヨーロッパ製ピアノは日本での使用は不向きか?

ヤマハ、カワイのショールームで良く説明されるフレーズですが、戦後、日本が貧しく外貨がない時代には北海道のエゾ松を使ったという話を聞いたことがありますが、国産のピアノも木材は全て輸入材です。

また輸入、国産を問わず高級なピアノほど自然素材(無垢材等)を多く使うので温度や湿度といった環境の変化には敏感です。

また本来の高級ピアノに使用する木材も屋外で数年の自然乾燥を経て使われますが、国産ピアノは効率重視で工場内で短時間で人工乾燥した木材(響板等)が使われるので、木材の細胞を痛めて楽器の命である響板の寿命も縮めることになります。

広い工場の敷地内で自然乾燥された木材(ペトロフの工場にて筆者撮影)

また最近の国産ピアノは内部のムービングパーツに木の替わりに、木より軽く鉄より堅いカーボンファイバー(炭素繊維)を使ったものがありますが、これは軽くて歪みがなく均一な形状で合理的ですが、堅過ぎて木のように適度なたわみがないのでタッチに違和感が生じます。

黒く見えるのがカーボンファイバー


しかもアクション内部のセンターピン(関節部分)はカーボン(本来は木)とフェルトが一体化したデリケートな部分なので、ここがひとたび湿気ると、湿気を吸わないカーボンはフェルトだけに湿気が集中するので、一旦、湿気ると木に比べ自然復元力が極端に劣ります。

昔ながらの木を使ったアクション(スタインウェイ)


一般的な量産ピアノは工業化に適した伸縮や歪みが少ない積層材等や人工素材を多用して大量生産されるので、均一で安定した品質という意味では良いのですが、天然素材が多い高級ピアノに比べると、音色や響きと云った楽器としての魅力は乏しくなります。

特にチェコで製造されるペトロフピアノは、単に合理化が遅れているだけとも言えますが、今でも昔ながらのヨーロッパの伝統的な製法で製造されるので、今は七輪の炭火で焼いたサンマが高級なのに似て、ヨーロッパ製ピアノとしては最安値(人件費がまだ安いので)ですが、すべてが合理化された今の時代では高級ピアノと云えるのではないでしょうか。

古めかしい工作機械が今でも使われています(ペトロフの工場にて筆者撮影)




鍵盤蓋も無垢材


無垢材のアップライト用の支柱

無垢材のグランドピアノの支柱

ピアノの脚も無垢材


お奨めブランド  ペトロフ


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


出張メンテナンス in 京都

2日目の午前中は京都市上京区Y様宅へ来ています。

ピアノはディアパソンD-164Rピアノマスク付き

 

 

 

鍵盤下の掃除からキャプスタン磨き、部品一つ一つを確認しながらリセット。

 

 

鍵盤がスムーズに動くように1鍵ずつ鍵盤調整

 

 

 


整調(棚板調整からアクション・ダンパー調整)、調律

 

 

 

マンションということもあり、防音対策で階下への固体振動音も考慮してピアノ架台を設置しています。

 

 

 

ピアノもピアノマスク付きです。
構造はいたってシンプルな作りになっています。

 

 

 

まずは上からの音を屋根を閉めて完全密閉。

 

 

通常はリム(側板)と屋根の間に5mm位の隙間がありますが、ピアノマスクはこの隙間にスポンジのようなもので塞いでいます。

 

 

 

そして下からはこのレバーを下げて・・・

 

 

響板を塞ぎます。凄くシンプルな構造ですが、この上下合わせて全体の4割ボリュームダウンします。

 

もちろん上だけを塞いで下は開放したり、逆に下を塞いで上を開放したりと色んなパターンを楽しめます。
取付は新品のピアノ限定ですが、ピアノ架台とのセットで防音対策はこれで十分なように思います。

Y様お世話になりありがとうございました。

 

 

 

午後は京都市山科区A様
ピアノはヤマハC3、今回初めてのご依頼でお伺いしました。

たくさんブレーキがかかってとにかく鍵盤が重く音色もこもっていたので土台からやり直すことにしました。

 

 

バランスキーピン・フロントキーピンのベタつきをとり、磨きあげました。

・・・なんとここでまさかのカメラ充電切れ。

 

鍵盤調整、ジャック調整、ハンマー接近調整、ドロップ調整、ハンマーストップ調整、ハンマー整形、調律

時間の関係でこれくらいしかできませんでしたが、試弾していただいたところ、調整でこれだけ変わるのかとあまりの変貌ぶりに驚いていました。

また全体の3割くらいしかできていませんが、次回のメンテナンスで続きをしていくことになりました。

A様ありがとうございました。

 

 

 

>>>防音対策にピアノマスクとピアノ架台

>>>メンテナンスは整調・調律・整音の3点セット

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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