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ピアノを1日調整してみませんか!

先日10年前に自宅用に新品で購入したスタインウェイのDモデル(フルコンサートピアノ)を下取りに、ファツィオリの同モデルに買い替えたいというご相談を受けました。

何がご不満ですか?とお聞きすると、人生最後のピアノと考えスタインウェイの最高峰Dモデルを購入したが10年で「飽いた」のだそうです。

人間の欲求(願望)は限りないのでこれも当然なのですが、飽いて買い替えを考える前に一度試して頂きたいのがピアノの1日調整です。

「もう飽いた」というピアノでも、1日調整だけでも大きく性能(音色もタッチ)が向上しますので惚れ直すかも知れません。
 
現状では、ほとんどのピアノが調整不十分で使用されているので、せめて1日かけて調整をするだけでも快適で魅力的なピアノに変身するはずです。

弊社の定期メンテナンスの様子です

全ての土台になる鍵盤まわりの調整から始めます。
単純作業の連続で手間がかかる作業ですが、やれば確実に弾いて気持ちの良いピアノに仕上がります。
 
グランドピアノは鍵盤とアクションは筬(おさ)に載せられているのでこのように引き出すことができます。

棚板調整 棚板と筬の隙間の適正化作業

下の写真の筬の中央に見える丸い金属が、筬とピアノの棚板(本体)の支えになっていて、筬と棚板の隙間を調整するネジ(下の写真の矢印)がベッティングスクリューと呼ばれるネジで隙間を適正に調整します。

この隙間が適正でないと打弦時に力が上手く伝わりません。
棚板(ピアノ本体)と筬は互いに伸縮があるので、絶えず調整が必要です。


 バランスキーピンとフロントキーピンも鍵盤がスムースに動くように定期的に磨く必要があります。




 

バランスキーピンの並び調整
 
 

フロントキーピンの傾きと並び調整

 
鍵盤バランスホールの調整。

鍵盤の深さ調整

鍵盤の高さ調整

傾いている鍵盤の調整


全ての土台になる鍵盤調整をザックリとですがご紹介しました。

鍵盤調整は手慣れた調律師でもまる1日の作業時間が必要になりますが、鍵盤調整だけでも弾いて気持ちが良いピアノになることがご理解頂けると思います。

新品ピアノでも納品前に行うのが出荷調整ですが、やはり土台の鍵盤の調整から始めて、次はその上に載っているアクション等の動的なメカニカル部分の調整に入ります。

既にご使用のピアノでも、1日の作業だけでもその効果が体感頂けますので、もし現在お使いのピアノに何かご不満がある方には、このような1日調整をお薦めします。

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


 ピアノの大きさと巻き線(低音弦)の太さの関係

小さなピアノほど低音部の巻き線が太くなりますが、これは張力が同じとすると短い弦長で低い音を出す場合は弦は太くなるという理由です。

これは高さ116cmの小型アップライトピアノの低音部の巻き線の写真です。


これは奥行き188cmのグランドピアノの低音部の巻き線ですが、これくらいピアノの大きさが違うと、巻き線弦太さもかなり違ってきます。


同じ設計のピアノであれば、小さなピアノほど低音部の巻き線が太くなり、大きなピアノほど同じ巻き線でも細くなるということ、結果として、太い巻き線はボアンとした音になりやすく、細い巻き線を使った大きなピアノは、同じ低音でもクリアーな低音が出ると云われています

これもメーカーにより、設計の違いより弦の張力設計も違うので、良し悪しは何とも云えないのですが、基本的に張力の強いピアノは弦全体が太く、張力の弱いピアノは弦全体が細くなる傾向があります。

コンサートで定番のスタインウェイフルコンサートピアノ(奥行き270㎝)高音や中音域の弦長は普通のピアノとさほど変わりませんが、特に低音域の巻き線が長いことがわかります。


メーカーの設計思想により、張力の強いピアノと張力の緩いピアノがありますが、張力を強く設計されているピアノは相対的に弦が太く、張力の緩いピアノは弦が細くなりますが、そのあたりの兼ね合いでも、個性ある魅力的なピアノ作りを設計者は考えるのだと思います。

多くの方がピアノを購入する際の選考基準に悩まれていますので、弊社では、ピアノ選びで後悔しないための資料を無料進呈しています。

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


グランドピアノの奥行き(大きさ)による違い

グランドピアノの鍵盤、上に載っているアクションを取り外したものです



写真上側が奥行き155cm、下側が奥行き188cmのグランドピアノの鍵盤
白鍵の大きさは同じですが、鍵盤が長さが微妙に違います

鍵盤の真ん中あたりにフェルト(上の鍵盤は赤色、下の鍵盤は白色)が見えると思いますが、これはバランスピンと呼ばれるピンの穴で、この鍵盤の中央のバランスピンが、丁度、シーソーの支点に相当して鍵盤の端が演奏時に上下します




グランドピアノの大きさ(奥行き)による違いですが、タッチに関して云うと奥行きの大きなピアノほど、鍵盤自体が長くなるので(シーソーが長くなる)その分、タッチのコントロールがやり易いと考えられています。

もちろんバランスの問題もあるので単純に大きければ大きいほど良いわけでもなさそうですが。

鍵盤の奥行きが長いという意味では、ホールにあるフルコンサートピアノ(奥行き270㎝)の鍵盤が一番長くなりますので、ピアニストは自宅の練習用も、本番で違和感がないように本番(ホール)と同じ大きさのフルコンサートピアノで練習される方が多いようです。

多くの方がピアノを購入する際の選考基準に悩まれています。

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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