[ ]音色はハンマーの質でも向上します!
弦を叩いて音を鳴らすハンマーは代表的な消耗品で音質や音色の寿命に関わる大切な部品ですが、その重要性はあまり知られていません。
車に例えるとちょうどタイヤの役割に似ていますが、ハンマーフェルトの品質(硬さや形状)によって、音やタッチの質感までもが変わります。
カンカンと派手な音、モコモコしたりまろやかな音、こうした音質の違いは実はハンマーフェルトが“硬い”か“柔らかいか”による影響が大きいわけです。
スタインウェイのアップライトのハンマー
今ではヤマハ、カワイなど大手メーカーはハンマーは基本的に自社生産していますが、ヨーロッパには老舗の部品専業メーカーがあり、なかでも独のレンナー社が有名で、スタインウェイやペトロフ等のヨーロッパのピアノメーカーが採用しており、他にはアベル(独)、ロイヤルジョージ(英)も有名です。
左からスタインウェイ、ヤマハ、カワイ
左から レンナー アベル ロイヤルジョージ
ピアノを弾き込んでいくとハンマーに弦の溝がついてくるので、この弦溝をなくすためにハンマーを削ってファイリング(整形作業)をして、この作業を繰り返していきますので段々ハンマーの肉厚が薄くなっていきます。
ハンマーの新旧の比較
弦溝がついてくるのでこれをファイリング(削り)ハンマーの形状を整えます
上部がペッタンコになったハンマー
ハンマーをファイリングしています
余談ですが、浜松のベテラン職人さんの話によると「ヤマハのハンマーは新品の時は好いんだけれど、ファイリング(削る)すると一気に音色の線が細くなるダニ、最初からそんな風に作ってあるんだろうね」とのことでした。
この職人さんのお奨め交換用のハンマーはドイツ製のアベルですが、ドイツのレンナーやアベルのハンマーは、ハンマーを削っていっても最後まで性能が劣化せずに使いきることが出来そうですので、最初から上質なハンマーを使う方が得策のようです。
仕上げの整音作業で同じピアノでも音色が大きく変わります。
最近は古いハンマーを交換することが多くなりましたが、相当な手間がかかるのでハンマー交換には20万円以上の費用がかかります。
国産ピアノではディアパソンがレンナーハンマーを使用しています
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