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初めてシゲル・カワイの契約書を頂いて、その契約内容にビックリしました。。

以前に弊社でシゲル・カワイのご試弾会をしたことがあります。
シゲル・カワイの試弾会が、明日から3Fホールで始まります!

浜松ピアノ店 3Fホールに展示された時のシゲル・カワイSK-5





このたびご縁があって、初めてシゲル・カワイを弊社を通じて購入したいという方がおられて、カワイの卸担当者が弊社にて、シゲル・カワイの契約書を頂く際に同席しました。

尚、シゲル・カワイは他のカワイピアノと違い、販売店(弊社は正規のカワイ特約店ですが)との契約でなく、あくまでカワイ楽器とお客様との直接契約に依ってのみ契約が成立するというルールになっています。

そのご契約時に同席していてビックリしたのは、本体の定価販売はもちろん、付属品の小物のキーカバーや数百円のシリコンオイルまで全て定価で購入するという契約書でした。

1千万円を超す一流高級ブランドのピアノでも、今の時代はそれなりの値引きをしないと売れない時代ですが、業界歴が長い筆者もこんな契約書は初めてです。

ピアノ屋としては、模範的な契約書として、ぜひ他社のメーカーの社長さんに見せてあげたいと本気で思いました、たぶん彼らも知ればビックリすると思います。

ところで、シゲル・カワイが他のカワイピアノと何が違うのか?

他のカワイピアノに比べ、カタログでは多少上等な部材を使って、細かい改良を施しているということですが、フレーム等の基本設計はどれも同じですので、性能はたいして違わないのですが、一番の違いはシゲル・カワイは丁寧な出荷調整とメンテナンスするが、他のカワイはしないかということに尽きます。

私見ですが、他のカワイピアノでも、同じように丁寧な調整を施せば、シゲル・カワイに遜色ない性能を発揮するとことは間違いないと筆者には断言できます。

他社のピアノは全て伝統的な木製ですが、カワイはカーボンを使った独自のアクション。



丁寧な出荷前の調整と納入後の丁寧な調整を含めたメンテナンスを施すと、シゲル・カワイに限らず、いかなるピアノも性能(音色、タッチ、響き)が最低でも20~30%向上すると弊社では常々訴えてきましたが、それをメーカーで行い、販売もメーカー直販としたのは世界的にも唯一シゲル・カワイだけということになります。

ただしグランドピアノの調整をきちんとできる技術者は大手のカワイ楽器でも少なく、今回のお客様は岡山の方ですが、大阪に2名しかいない技術者の1名が大坂から納入調整に来られるそうです。

 具体的な出荷調整やメンテンテナンスを弊社の無料資料でご案内していますので、ぜひ、ご研究してみて下さい。

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ピアノの選び方とその問題点

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ボストン1日メンテナンス

 

今日は岡山市内のお客様宅へ1日コースのメンテナンスを行ないました。

 

 

ピアノはボストンGP178

 


少し音色がこもり気味で鍵盤への感触も少しもたつく感じでした。
定期的にメンテナンスを行なっていますがお忙しくて普段あまり時間を確保出来なかったのですが、今回はある程度時間が確保出来たので土台から見直すことにしました。

 

 

 

 

まずは整調です。
鍵盤を全部外し掃除と金属のピンを磨きます。

 

 

 

【Before】



 

 

【After】

この全てのピンの滑り具合が同じにしないと鍵盤の滑らかな動きも揃いません。

 

 

 

 

同じくフロント(手前)キーピンも磨き、角度も88本揃えます。

 

 

 

 

鍵盤を入れてバランス(真ん中)キーピンの位置を定規をあてて揃えます。

 

 

 

【Before】

 

 

 

【After】

 

 

 

 

鍵盤の動きをスムーズにします。
手前側を左右に振って適度な遊びがあるかチェック。

 

 

 

数鍵だけ赤いクロスが湿気で膨張して遊びが少なかったので、専用工具で圧縮します。
バランス(真ん中)の穴も動きをチェックし終えたら次は鍵盤の高さ調整。

 

 

 

 

定規をあて、鍵盤の傾きや高さを揃えます。

 

 

 

 

鍵盤の下にはこのような赤いクロスと紙が挟まっています。
ピンセットを使い鍵盤の下にドーナツ状の紙を足して鍵盤を高くしているところです。ちなみにこの紙の厚みは0.06mmです。

 

 

 

 

ハンマーの調整です。
間隔が不揃いになっているのとハンマーに弦の溝が中心からズレて付いているので一度リセットします。

 

 

 

 

ハンマーの動きを同じ方向に揃えます。
専用の紙を貼り付け動く方向を変えます。

 

 

 

 

ハンマーも剥いて溝を取り新品の状態にします。

 

 

 

アクション部品の前後位置や高さを88鍵同じ場所に揃えます。
これをしないと連打が出なかったりします。

 

 

 

 

アクション部品の動くタイミングを揃えます。
どの鍵盤も同じタイミングにしないと不揃いだと弾き心地も音色も揃いません。

 

 

 

 

最後にスプリング調整。繊細なピアニッシモや連打が出るかどうかはこのスプリングにかかっています。

 

 

 

 

442Hzで調律

 

 

 

 


最後に整音です。
3本の弦にハンマーが同時に噛み合うように調整します。

 

 

 

一番左が最初に当たっていたのでその左だけを削ります。
これを低音から高音部まできちんとすると徐々に音色が揃っていき気持ちいいです。

 

 

 

 

最後にお客様にご試弾していただきました。
最初と比べ鍵盤・アクションのレスポンスも速くなり、輪郭のある音色に変わったので、もし柔らかいソフトな音色が好みだったら合わないかな、と思っていましたが、
喜んでいただけてOKでました。

 

 

そんなお客様は来年2月にルネスホール(岡山市北区内山下)でコンサートをされるそうです。是非お都合あればご観覧ください。

 

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


価格比較ドットコムとメーカー、ピアノ店の悩み

浜松ピアノ店 2Fショールーム


本は便利なアマゾンで買い物される方も多いと思いますが、いち消費者としては、ネット上で一番安価な値づけ のものを価格比較して買いものをされることが多いのではないでしょうか。

しかしながら最近は新品のアコスティックピアノまで、ネット上の表示で価格競争になることが多く、お客様の値引き情報が混乱することが多々あります。

生ピアノ(中古品も含む)の場合は他の商品と違い、出荷前と納入後に販売店でどこまで丁寧に手が入れられるか(技術と手間暇)で、販売価格も異なるのが自然です。

その理由は、アコスティックピアノの場合はやろうと思えば、ほぼ無限の調整が必要で、丁寧な調整をやればそれなりのコストはかかりますが、同じピアノであっても大幅に性能(弾き心地や音色)が良くなります。

天然素材の木材やフェルト、皮等を多く使った複雑なメカニズムを持つピアノの場合は、性能を大切に考えるなら、最終的に技術者による丁寧な仕上げ(整調・調律・整音)が不可欠です。

車などはメーカーや車種による違いを誰でも容易に体感できます、ピアノの場合も実際に試弾して違いを体感するのが一番なのですが、ある程度の演奏力がないと調整による性能(音色、タッチ、響き等)の違いを体感頂けることが難しいのが難儀です。

公正取引委員会があり、メ ーカーによる価格コントロールができず、お客様も調整による性能の違いが判らないとなれば、後は価格比較だけという話になることも多いのですが、そのようにして購入されたピアノは、ピアノに慣れて演奏が上達して性能の違いがわかるようになってくると、細かいご不満が増えてくるように思います。

そのような背景からピアノ業界では悪貨が良貨を駆逐するという諺通り、圧倒的な調整不足により本来の性能の半分位しか性能を出せれなくなっているピアノが多いのですが、それに一石を投じたのが、カワイのシゲル・カワイブランドの販売戦略です。

このシゲル・カワイは、他のカワイピアノと違い、基本的にカワイ楽器(メーカー)からお客様が直接購入するルールになっていて、たとえカワイの特約店(弊社)でも値引き交渉ができないようなシステムになっていますので定価販売が原則です。

その代りメーカー自身がしっかり調整してから出荷して、メンテナンスもしっかりとした調整をするようになっています。
 
あくまで私見ですが、他のカワイピアノとシゲル・カワイを比較した時に、シゲル・カワイは響板は上等なものを使用しているという以外は、他のカワイとの明確な違いはないと思います。

シゲル・カワイの一番の特徴は、価格が高い分(値引きがない)、それだけ丁寧な調整とメンテナンスが行われるという違いが一番大きいのですが、そのためピアノ演奏ができる方から、今までのカワイにない高い人気を博しているようです。

逆に云えば、別にシゲル・カワイでなく他のカワイピアノでも、丁寧な調整をすれば、シゲル・カワイ並みのピアノに仕上がるとも云えます。

このあたりのことを皆様に、ぜひご理解いただけたらと願っています。

 問題は大手のカワイ楽器でも、きちんとグランドの調整できる技術者は全国でも極少数で、たとえば岡山にはいなくて、大阪で2名だけだそうです。

ピアノ選び方とその問題点
 
具体的な調整に関しては、弊社の資料でご覧ください。
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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