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新品ピアノの狂い

 

 

ピアノを購入された際に、どれくらいの頻度でメンテナンスを入れた方が良いかという質問をよく受けます。

メンテナンスの頻度は、絶対にしなければいけないという決まりはありませんが、違和感を感じた時がメンテナンスを行なう一つの目安です。といいますのも、年に一回の方もいれば月に一回の方もいるのです。

これは使用される方の、"気になる度合い"によって頻度も異なってくるからです。また、違和感に気づかない方もいるので、その場合は最初の3年間は年に少なくとも2〜3回、3年目以降は年に2回〜とご案内しています。

ピアノは部屋の温度湿度環境や使用頻度にもよりますが、内部の部品に木材やフェルトやクロスを多く使用している為、湿気に弱く常に変化しています。
中でも新品のピアノは部品が馴染んでいない為、短期間での変化が多く、特に最初の1年はかなり変化します。

ここでいう"馴染む"というのは、どういうことかと言いますと、例えば、椅子のクッション(座布団)をイメージしてみてください。
新品のうちは厚みがありますが、毎日座っているうちにだんだん潰れてきて厚みが薄くなっていくと思います。そしてある程度のところまで圧縮されるとそれ以上は厚みが変わらなくなります。これが"馴染んだ"状態です。


ピアノの部品もフェルトやクロスが新品のうちはふっくらと厚みがありますが、使用していくうちに圧縮され厚みが薄くなってきます。
そして、それ以上圧縮しないところまできた時が馴染んだ状態です。
また、その圧縮された部分にはロス(隙間)ができるので、部品の動くタイミングが変わってきたりパワーロスにもなります。

弦も同じです。新しいうちは弦も引っ張られて伸びていき、音が下がっていきます。それが3年目にもなると伸びが止まり安定してきます。

 

 


弊社のショールームにある新品ピアノも、一度全調整を行なっていても、約1ヶ月もすればもう部品が変化しています。それをまた微調整して、変化の度に微調整を繰り返していくと次第に落ち着いてきます。この期間が約3年ほどです。

少し話が逸れますが、新品から3年経過した展示品のピアノを購入すれば、納品しても大きな変化もなく(勿論環境にもよりますが)、すぐに安定した状態で弾くことが出来るというメリットもあります。

 

前置きが長くなりましたが、今回の動画は新品ピアノを納品して約4ヶ月後の一回目のメンテナンスの様子です。

 

 

>>>ディアパソンピアノの魅力とは

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ブランド名と創業者の関係

今年のショパンコンクールでも大いに注目されたイタリアの最高級ピアノメーカー、ファツィオリピアノの創業者、パオロ・ファツィオリさんと筆者

 

フェイスブックにもよく登場するファツィオリ社長、創業者が現役のピアノメーカーは珍しくパオロ・ファツィオリさんのピアノ作りに対する熱意が伝わってきます。



今でもピアノにはたくさんのブランドのピアノがあり選択に迷いますが、ブランド選びの判断基準の一つに、トップ(社長)の顔が見えるピアノが信頼できるという考え方があります。

車業界であればトヨタの豊田彰男社長、スズキの鈴木修会長の顔を良く目にしますし、創業者なら故・松下幸之助、故・本田宗一郎が有名ですが、これが消費者の信用や安心につながります。

日本のピアノ業界では、シゲル・カワイ(故・河合滋氏はカワイ楽器の2代目社長、現在は息子さんの河合弘隆)という新しいブランドで売り出していますが、それなりに信頼感が生まれます。

それが創業が150年前後と歴史の長いヨーロッパのピアノメーカーになると、もう創業者一族や既にその実体がないものが大半で、ほとんどがブランド名だけが辛うじて残っているのが実情です。

有名なところではスタインウェイがありますが、既にスタインウェイ一族はなく、今のスタインウェイのCEOはアメリカの有名な投資家です。

現在でも創業者一族が経営するペトロフピアノ、現在の社長はスザンヌ・ペトロフさんで5代目になりますが、彼女の情熱と他社の衰退もあり今ではヨーロッパ最大のピアノメーカーになっています。

弊社の三木君とペトロフ社長のツーショット(チェコにて)


純ヨーロッパ製については、
知っておきたい生産国表示の業界ルールで解説しています。

ピアノの選び方とその問題点

お薦めブランド ペトロフピアノ

お薦めブランド ファツィオリピアノ



 
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


お世話になっている浜松の職人さんをご紹介

いつも補修用の低音弦の巻き線でお世話になっている巻き線一筋60年の冨田氏

ご本人のお話によると、ピアノの巻き線は家業だったので中学生の時から巻いているそうで、工学部出身の大卒だけあり、彼の大学ノートにはほとんどのメーカー、器種別、年代別の巻き線のデーターをお持ちです。

ちなみに今の巻き線(低音部)は、ほとんどが機械巻ですが、名人が巻く巻き線は、雑音もなく響きも良いと評判です。

冨田氏の事務所にて
左から冨田氏、奥様、右が森重氏
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オーバーホールでお世話になっている森重氏の工房にて、写真奥が森重氏。

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この森重氏は、過日、NHKの浜松のピアノ職人?という1時間番組で15分ほど取り上げられた方です。

昔はピアノと云えば、楽器の都、浜松ということで、たくさんのピアノメーカーと下請け業者があったのですが、今ではヤマハ、カワイ以外のメーカーは既になくなっています。

最近はその大手もメーカーも中国やインドネシアでピアノの部品(半製品)を作って日本で最終組み立てするだけのようなことで、若手の技術者が育っておらず、写真のような超ベテランばかりになっています。

森重氏が本格的にオーバーホールした1969年製のヤマハ
塗装を剥ぎ、木目の艶消しに仕上げ、脚も猫脚(チッペンデール)に仕上げました。現在、浜松ピアノ店に展示中です。


浜松の職人の手で1台1台丁寧に甦らせ新しい付加価値をつけて販売するのが独自の流儀です。

お薦めブランド ディアパソン



 
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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