[ ]現場の声がメーカーには届きません
商売柄ピアノメーカーの幹部と話すことがありますが、日頃現場で感じる不満点や矛盾点を伝えてもなかなか聞く耳をを持ってもらえません。
今はもう故人になられましたが電子楽器のローランドの創業者の梯(かけはし)さんは、販売店に来られたら売り場の女性店員からも熱心に話を聞いてその情報を本社に持ち帰り自社の政策に生かしていました。
国内メーカー幹部もさることながら、ドイツに工場を持つ著名メーカーの社長が来店された時に、これ幸いと日頃の矛盾点や改良希望事項を伝えたところで「弊社は長い歴史がありしかもピアノビジネスで成功しています」との返答で終わりました。
恐らく社内的にもそのようなスタンス、つまりヒラメの目と云われるように社員は下を見ず上しか見ない社内風土になり外部の情報にますます疎くなるので、どんどんチグハグな方向に向かっているように私には見えます。
今はメーカーの直営店が増えてきたので、上記の事情で益々現場の辛口の声はメーカー上層部には届かなくなっているようです。
「貴重なご意見ありがとうございます、今後の参考にさせていただきます」というような日本的な模範解答はまずあり得ません。広く現場の意見に耳を傾け共感できる所は前向きに検討・改良していけば、まだまだメーカー自身も売り上げが伸びると思いますが本当に残念に思います。