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ボストン1日メンテナンス

 

今日は岡山市内のお客様宅へ1日コースのメンテナンスを行ないました。

 

 

ピアノはボストンGP178

 


少し音色がこもり気味で鍵盤への感触も少しもたつく感じでした。
定期的にメンテナンスを行なっていますがお忙しくて普段あまり時間を確保出来なかったのですが、今回はある程度時間が確保出来たので土台から見直すことにしました。

 

 

 

 

まずは整調です。
鍵盤を全部外し掃除と金属のピンを磨きます。

 

 

 

【Before】



 

 

【After】

この全てのピンの滑り具合が同じにしないと鍵盤の滑らかな動きも揃いません。

 

 

 

 

同じくフロント(手前)キーピンも磨き、角度も88本揃えます。

 

 

 

 

鍵盤を入れてバランス(真ん中)キーピンの位置を定規をあてて揃えます。

 

 

 

【Before】

 

 

 

【After】

 

 

 

 

鍵盤の動きをスムーズにします。
手前側を左右に振って適度な遊びがあるかチェック。

 

 

 

数鍵だけ赤いクロスが湿気で膨張して遊びが少なかったので、専用工具で圧縮します。
バランス(真ん中)の穴も動きをチェックし終えたら次は鍵盤の高さ調整。

 

 

 

 

定規をあて、鍵盤の傾きや高さを揃えます。

 

 

 

 

鍵盤の下にはこのような赤いクロスと紙が挟まっています。
ピンセットを使い鍵盤の下にドーナツ状の紙を足して鍵盤を高くしているところです。ちなみにこの紙の厚みは0.06mmです。

 

 

 

 

ハンマーの調整です。
間隔が不揃いになっているのとハンマーに弦の溝が中心からズレて付いているので一度リセットします。

 

 

 

 

ハンマーの動きを同じ方向に揃えます。
専用の紙を貼り付け動く方向を変えます。

 

 

 

 

ハンマーも剥いて溝を取り新品の状態にします。

 

 

 

アクション部品の前後位置や高さを88鍵同じ場所に揃えます。
これをしないと連打が出なかったりします。

 

 

 

 

アクション部品の動くタイミングを揃えます。
どの鍵盤も同じタイミングにしないと不揃いだと弾き心地も音色も揃いません。

 

 

 

 

最後にスプリング調整。繊細なピアニッシモや連打が出るかどうかはこのスプリングにかかっています。

 

 

 

 

442Hzで調律

 

 

 

 


最後に整音です。
3本の弦にハンマーが同時に噛み合うように調整します。

 

 

 

一番左が最初に当たっていたのでその左だけを削ります。
これを低音から高音部まできちんとすると徐々に音色が揃っていき気持ちいいです。

 

 

 

 

最後にお客様にご試弾していただきました。
最初と比べ鍵盤・アクションのレスポンスも速くなり、輪郭のある音色に変わったので、もし柔らかいソフトな音色が好みだったら合わないかな、と思っていましたが、
喜んでいただけてOKでました。

 

 

そんなお客様は来年2月にルネスホール(岡山市北区内山下)でコンサートをされるそうです。是非お都合あればご観覧ください。

 

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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