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中古ピアノの選び方、先ずは消耗品のチェックから

下取りで入荷したヤマハのグランドピアノC3、1990年製のハンマーですが、このピアノを本来の音色に戻すためにはハンマー交換の必要があり、新品を取り寄せて並べてみましたが、形状やフェルトの肉厚がずいぶん違うのがお分かりいただけると思います。



ピアノを弾き込んでいくと、ハンマーの先に弦溝が深くついてきて固くなってきて音色が金属的な音色になってきますので、その都度、弦溝を削り、下の柔らかい部分を出していき、これを繰り返していきますので、このピアノの場合は、結果としてハンマーの先が写真のように平らに近くなっています。

ここまでくるとハンマーの肉厚も薄くなり、弦をハンマーの面で叩くようになっていますので、交換しない限りかつての音色を復元するのは困難です。



これもかなりすり減ったバックチェックスキンです、どうせならこれも、張り替えた方がハンマーの動きがスムースになります。


これも限界ではないですができれば交換した方が良いと思われるローラーの皮です。
 
けして古くよく弾き込まれたピアノ自体が悪い訳ではないのですが、問題は古いピアノにはそろそろ消耗品を交換した方が良いと思われるピアノも多く存在します。

特にグランドピアノの場合は目的を持って購入される方が多いので、アップライトピアノに比べて使用頻度が高いので、消耗部品が限界に近いものが多くなります。

 消耗部品を交換されずに再販された中古ピアノは、安価でも性能的にあまり期待できませんし、近い将来には高額な消耗部品の交換が必要になります。
 
 ネット販売に限らず、メーカー名と型番、年式だけで中古のグランドピアノの販売価格を云々されているケースが多いのですが、このような中古ピアノならではの事情も知っておく必要があります。
 
 中古ピアノ、特にグランドピアノには前述のような事情がありますので、一般の方には見分け方が難しいのですが、これは販売店のピアノの品質に対する基本的な考え方を見分けるしかないように思います。          

 中古ピアノのメリット・デメリット

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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