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海外からの輸入ピアノの運送費は?

日本の輸入ピアノの関税はゼロとお伝えしましたが、それでは遠くヨーロッパから輸入するピアノの運送費はいくら位かかるのか?気になる方もおられるかと思います。

ヨーロッパのメーカーから仕入れる場合は、基本的には海上輸送のコンテナを利用、仮に20フィートのコンテナでアップライトであれば15台は入ります。

1コンテナの運送費はあちこちの港に立ち寄る便(安いが時間がかかる)であれば、ヨーロッパから日本まで1ヶ月少々かかりますが、この運送費は15万円程度(ペトロフ社の場合はメーカー負担)なので、単純に1台1万円ほどの運送費になりますが、これだと国内の運送費より割安な位です。

浜松の流通倉庫にコンテナで入荷したチェコのペトロフピアノ
ちなみにチェコは海がないので陸路でドイツのハンブルグまで運ばれ、ハンブルク港からの船便になります。

こちらはスタインウェイ


写真でお分かり頂けると思いますがメーカーから出荷されるものは、メーカー専用の段ボール箱に1台1台傷つかないようにしっかり固定され、さらに湿度の影響を受けないように真空パックされて送られてきます。

ところで輸送が難しいのは個人で現地で中古ピアノを購入したような場合ですが、重いピアノを壊れないように運ぶための荷造り(梱包)が大変です。

乗り合いコンテナで送れば安価に送れるのですが、長い道中、少々手荒に扱われてもピアノが壊れないようにピアノを厳重に保護するための梱包に苦労すると思います。

これはチェコからペトロフの特注グランドを航空便で取寄せた時の梱包です

箱を開けるとこんな感じに荷づくりされていました。


お奨めブランド ペトロフ

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貿易(関税)戦争が始まりそうですがピアノ業界は?

トランプ大統領のお蔭で関税による貿易戦争が始まろうとしていますが、ちなみに日本は輸入ピアノの関税はゼロなので日本は輸入ピアノが現地価格で購入できる数少ない国と云えます。

逆に日本から海外にピアノを輸出するとEUでも関税を取られるようですが、中国にピアノを輸出すると何と35%の高関税になります、ゼロ対35%ですから、これは明らかにトランプさんが云うところの不公平関税です。

ところで今回、EU側の対抗策としてアメリカを象徴するハーレー・ダビットソンの関税を25%にしましたが、すぐさまアメリカのハーレー社は、今後UE圏内でハーレーを一部生産すると発表しました。

ピアノの場合も同様で最大市場の中国で有利なピアノ販売をするために、中国の35%の高関税を避けて、ヤマハ、カワイをはじめヨーロッパの老舗メーカーも、自社ブランドのピアノを中国で生産し中国で販売(関税がゼロ)、残りを中国から世界に輸出するという仕組みになっています。

生産規模の№1がパールリバー(国策会社)、№2が杭州ヤマハ、№3がハイルーン、他にも中国には30社以上のピアノメーカーがあると云われています。

写真は中国№3のハイルーン社の広報誌です
ここは主にヨーロッパメーカーのピアノを委託生産しているところです。


ピアノに関するよくあるご質問

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低音域の巻き線も消耗品です

ピアノ線は、芯線と巻き線の2種類あるのですが、低音部は低い音を出す必要があるので、芯線に銅線を巻いた太い巻き線が使われます

芯線は弦をそのまま張るのですが、巻き線の巻き方は手巻きと機械があり、最近の量産ピアノに使われている巻き線は、ほぼ機械巻きになっているようです

巻き線は少し古くなるとジン線(文字通りジンジンという雑音)やボン線(鳴りが悪くなる)ということが起こることがあり、その場合は巻き線を交換することになります。

弊社がいつも巻き線をお願いする浜松の株式会社 貴富工業(タカトミ)の冨田さん 

見た目では巻き線の良し悪しは判断できないのですが、巻き方が悪いとジン線とかボン線とかという言葉に代表されるように音や響きが悪くなります。

そこまで悪くなくても興味深いことに、名人の巻いた巻き線は、同じピアノでも明らかに気持ちが良い低音になりますので、低音域の音色や響きにこだわっていくとこの巻き線の良し悪しということが重要になってきます。

これは彼が作ったオリジナルのワッカ(弦の先の円い輪)を作る機械です


出来上がった巻き線の太さをチェックしているところです

さまざまな太さの銅線で、ピアノによりまた同じメーカーでも年代や古さによっても、使う芯線と銅線の
太さが違ってきますが、そのあたりも冨田さんの長年のノウハウの蓄積の賜物と云えます

ご夫婦での経営です

冨田さんのお話では、元々、実家で昔ピアノを作っていたそうで、その関係で何と小学校の高学年から、巻き線を家で巻いていたそうです。

明治大学の工学部を卒業してからも、巻き線作りが好きなので、70歳になる現在も巻き線を巻いているそうで、巻き線製作歴も60年近くになるようですので巻き線に関しては、日本でもっともベテランになります。

彼の大学ノートを少し見せてもらったのですが、様々なメーカーの機種別、年代別に、細かいデーターがびっしり書き込まれていました。

どんなデーターかといいますと、ピアノの弦というものは、弦の材質もさることながら、同じピアノでも弦の太さで張力が変わり、張力が変わると音色も響き具合も変わるという奥の深い話になりますが、そのあたりも過去の試行錯誤からの彼の独自の緻密なデーターをお持ちのようです。

チェコのペトロフの工場内での巻き線を巻いている作業風景です
もう日本では、このような手作業(手巻き)の風景は見ることができなくなってきているようです。


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