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サイレント(消音)ピアノは極力避けたい

サイレントピアノを避けたい理由

サイレントピアノの最大のデメリットは、構造上、通常のピアノよりアクションの設定を変える必要(ハンマーの接近を通常より広く取る)があるので、消音を使わず普通にピアノを弾いた時に、連打が難しくタッチも重くなり、音もぼやけた感じになることです。

さらに通常はハンマーで弦を叩き音を出すのですが、消音時はハンマーシャンク(ハンマーの取り付け棒)でフェルトを叩くのでタッチに違和感があると思います。

そのようなサイレントピアノ(消音ユニット)ならではのデメリットがありますので、最後の手段としてサイレントピアノを考えた方が良いと思います。


サイレントピアノの仕組み

サイレントピアノはアコスティックピアノに電子ピアノを内蔵して、消音時は電子ピアノの音をヘッドホーンか外部スピーカーで聞く仕組みです。

その仕組みを、展示中のヤマハのサイレントピアノ(中古品)を使って少しご説明させて頂きます。



消音ユニットは大きく2つのものが組み込まれています。

①鍵盤の下に設置されたセンサー





このセンサーにより、鍵盤がどのくらいの強さ(速さ)で弾かれたかを感知し、強く弾かれた場合はそれだけアンプの音量が大きくなり、演奏者はそのアンプの音をヘッドホーンで聞くことになります。

②ハンマーシャンク(棒)部で強制的に打弦を止める

そのままではハンマーで弦を叩いてピアノが鳴りますので、ハンマーが弦を叩く前に、金属のバーにフェルトを貼ったものでシャンク部分(ハンマーを取り付けている棒)を強制的に止め弦を叩かないようにします。つまりハンマーではなくフェルトをシャンク(棒)で叩くことになり、ハンマーが弦を叩かないのでタッチに違和感があります。

上から見たものですが、金属バーがシャンク(ハンマーの取りつけ棒)のストッパーになり、消音時にはハンマーが弦を叩かないように(ピアノの音がしないように)ストッパーで強制的に止めます。

上からの写真ですが、金属のバー(ストッパー)にフェルト状のものが貼られて、消音時のシャンクの衝撃を緩和しています。



グランドピアノ用のサイレントの仕組み



上手くご説明ができたか分かりませんが、消音ユニットの原理はこんな感じです。
つまり消音時の演奏は内蔵のアンプから電子音のピアノの音が、鍵盤を強く叩けば大きな音で、弱く叩けば小さな音で、ヘッドホーンから聞こえてきます、つまり生ピアノにデジタルピアノを内蔵した感じになります。

トランスアコスティックピアノとは

サイレントピアノは通常ヘッドホーンか外部スピーカーでピアノの電子音を聴きますが、トランスアコスティックピアノの場合はスピーカーの代わりにピアノの響板を鳴らすようにしているので、それ以外は通常のサイレントピアノと同じです。

最新の消音ピアノのユニットはかなり改良されている物もあります

ハンマーシャンクを止めるミュートバーのクッションフェルトが新素材に改良されたり、最大の問題点の接近、これは鍵盤をゆっくり押していくとハンマーが弦に当たる寸前に戻ってきてこれを接近と呼びます、通常は1mmから2mmにセッティングしますが、最新のものは接近が通常プラス1mm程度で可能なものもできています、これだと通常演奏時もほとんんど違和感がなくなります。

ピアノ消音ユニット

ピアノの防音対策は?


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植田 信五


鍵盤(タッチ)は重い方が良いか、軽い方が良いか?



正常な範囲内であれば、重めか軽めか?は演奏者の好みの問題

ピアノの鍵盤は重さはダウン(何グラムで下がるか)とアップ(何グラムで上がるか)のバランンスの上に成り立っていますので、あまり重くしても軽くしても弾き難いピアノになりますので、鍵盤の重さ(ダウン)は大体50g位が標準で、多少の重め軽めはあってもどこのメーカーのピアノもほとんど似たような設計値になっています。

たとえば適切に調整されたスタインウェイの鍵盤の重さ(タッチ)は、S-155~B211までは47gの重さで鍵盤が下がり(ダウン)、20gの重さで上がる(アップ)ように設定されており、セミコンとフルコンサートピアノは低音部が52g~高音部47gになっています。

鍵盤には鉛が埋め込まれており、鉛の位置と大きさで鍵盤の重さが決まります


鍵盤の重さ(ダウン)を測っているところ
img_5550


問題は多くのピアノが調整不良で鍵盤が重くなっていること


重めが好きな人と軽めが好きな人がいるので好みの問題もあるのですが、多くのピアノがメーカーの設定以上に鍵盤(タッチ)が重くなることが問題です。

これはムービングパーツが汚れていたり錆び(主に鍵盤まわり)ブレーキがかかった状態であったり、アクション等の調整不足で力の伝達ロスが大きく、本来の力で弾いてもピアノが十分に反応してくれないことです。

新品も定期メンテナンス時も鍵盤調整が必要です
※鍵盤調整とは全ての鍵盤がスムースに動き鍵盤の高さも深さも均一にする作業

表現力のあるピアノとは?

表現力のあるピアノとは安価、高級を問わず、鍵盤を通じて演奏者の意図したように演奏できるピアノのことで、具体的にはピアニシモが綺麗に出せてトリルも自由にでき、大きな音も力まずに出すことができるピアノですが、これは丁寧な調整の結果として初めて情緒豊かな演奏ができるピアノになります。

いかなるピアノであれ定期的な鍵盤調整が必要

誤解のないように申し上げますと、これは中古品、安価、高級とは関係なく、いかなるピアノであれ丁寧な調整で表現力豊かなピアノになりますので、新品は勿論、定期メンテナンスの際も先ずは鍵盤調整が必要です。

お子さんが弾くピアノこそ鍵盤調整が必要

特にまだ指の筋肉が十分に発達していないお子様がお使いになるピアノは、よく調整されたピアノが絶対条件になります。

お子様にはどんなピアノを選んだら良いか

また鍵盤が重いピアノ(調整ができていないピアノ)で無理して弾いていると最悪、指が腱鞘炎になることもあります、これを歯に例えると、先ず歯の矯正をしてから噛み合わせ調整をするとモノが良く噛めるとの似ています、

しかしながら今は高級ピアノを含め多くのピアノがコスト削減で新品時から調律しかされず、鍵盤調整やメカニズムの調整は手間(コスト)がかかるので省かれています、これがタッチが重い(弾き難くレスポンスの悪いピアノ)原因です。

鍵盤の鉛調整で初めて均一なタッチ(重さ)になる


個々の調整作業を短く動画に編集していますのでご覧ください。

ピアノの本来の性能を発揮させるには丁寧な調整が必要不可欠です!



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グランドとアップライトの音量の違い

グランドとアップライトの音量はほぼ同じ

実はアップライトとグランドが出す音のエネルギーはほぼ同じで、たとえばヤマハのグランドのC3と高さ131㎝クラスのアップライトでは出てる音のエネルギーはほぼ同じと云われています。
ただグランドは音が上下に抜けるので音量が大きく聞こえますが、アップライトは前面が蓋で覆われて、裏側は壁に向けて音が出るので演奏者からみると音量が小さく聞こえます。


アップライトの裏側、響板が壁に面して置かれます



グランドは響板が下に向き床面に向けて音が出ます

グランドは音が上にも抜けるので気持ち良く天屋根が反響版になり遠くに音を飛ばすこともできます

上の蓋(天屋根)を閉めても演奏者にダイレクトに音が届きます

 

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