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ピアノのメーカー保証は、ほぼ無意味と云うお話

ペトロフピアノの品質証明書


ディアパソンの品質証明書



ピアノの保証期間はヤマハ、カワイの新品ピアノのメーカー保証は納入日から1年間、高級ピアノのスタインウェイで5年間とされていますが、安価な中古ピアノでも保証期間が10年という販売店もあります。

これだけ聞くと、1年保証よりも5年保証が優れているように見えますが、しかし新品より品質が不安定であるはずの中古ピアノの方が、保証期間が長いというのも矛盾しています。
 
このカラクリですが、この保証の意味は、万が一製造上の欠陥があれば、責任を持って無償修理、修理不能の場合は同等品と交換しますという意味なのですが、これを普通に考えると、もし保証期間中に故障したら無償で修理・対応するという風に考えますが、ピアノの場合はそうではありません。

仮に完璧に点検・調整されたピアノをお届けしても、ピアノの場合は設置部屋の湿度が異常に高ければ、すぐに不具合が発生することがありますが、この場合は保証期間中であっても、お客様の責任なので、基本的には有料修理になります。

長い歴史を持つピアノの場合は製造上の欠陥ということはほぼ考えられないので、そう考えるとピアノの保証期間というのは、ほとんど意味を持たないことになります。
 
添付の品質保証は、云わば作り手のプライドであり、それだけメーカーの自信作ですという意味の品質保証書ですので、保証期間中は保証しますという保証よりも、むしろ価値があるように思います。

お薦めブランド

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


調整の基本、ベッティング・スクリューのお話

グランドピアノは棚板と筬(オサ、鍵盤とアクションを載せている)の隙間が湿度変化により不均衡になるので、その都度、調整するためのベッティング・スクリュー(ネジ)があります。



グランドピアノの棚板

筬に載ったまま引き出された鍵盤とアクション

鍵盤側から見たベッティング・スクリュー

 

筬を裏側見た写真と鍵盤方向から見えるベッティング・スクリュー

丸い金属部分がピアノの棚板と接しており、ベッティングスクリューで金属部分の出方を調整して棚板と筬の隙間を調整します。
(ソフトペダルを踏むと金属部分を接点として筬が移動します)


なぜ棚板と筬の隙間の調整がなぜ基本的に重要なのか?


鍵盤と棚板(ピアノ本体部分)の隙間が大き過ぎる部分があると、鍵盤を叩いてもその部分はパワーロスが生じるからです。

隙間が大きい部分は、鍵盤を叩いても底なし沼の鍵盤を叩いている感じに似てパワーロスが生じて、思ったような打弦ができません。

ですのでこの棚板と筬の調整が上手く出来ていなければ、他をいくら調整しても弾き難く表現力の劣るピアノになります。

この部分は鍵盤やアクションを支える土台ですので、ここの不具合が全てに悪影響を生じさせます。

ピアノの棚板と筬は湿度の関係でたえず伸びたり縮んだりしていますので、すべての調整をする前にこのベティングスクリューによる棚板と筬の隙間の調整が必要です。
 
大切な調整ですが、現実にはほとんど行われていないように思います。

その理由は土台であるベティング・スクリューをいじると、その上に載っている一連のメカニズムの調整も同時に必要になるので手間がかかるので、業界では日頃からベティング・スクリューを調整する習慣がありませんが、非常に重要な基本的な調整ですので、ユーザーの方も知っておく必要があると思います。

ピアノの選び方とその問題点

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


一戸建ての防音対策は二重サッシの隙間を10cm以上取るのがポイントです

一戸建ての防音対策は、音漏れに一番弱い窓ガラスを二重サッシにすること、それもサッシとサッシの間(窓ガラスと窓ガラスの間)を10㎝以上空けるのがポイントです。

ガラスとガラスの間を10㎝以上空けた防音窓

一戸建てで外部への防音を考えた場合、遮音壁として一番強いのが壁で、一番防音に弱いのが窓ガラスです。

しかし単に窓を二重サッシにしただけでは防音効果は半減で、少しコストがかかりますが、思い切ってサッシとサッシの間を10㎝以上空けると防音効果は倍増し、壁以上の防音効果が期待できます。

更に部屋のドアを二重ドアにすると家のなかでも他の部屋への音漏れなくなります。

二重ドアにした防音室


さらに換気扇も防音用の二重になったものすれば、一戸建ての防音対策はほぼ完成ですが、ほぼと云う意味は、これ以上の防音を考えると、家の防音壁としては最強である壁を強化する必要があるのでさらにコストがかかりますが、そうすれば音楽スタジオ並みの無音の防音室になります。

ピアノの防音対策

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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