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サイクルショップとの意外な共通点

 

先日お客様からクロスバイクを譲って頂いたので、今日の午前休みを利用して岡山市福富中にあるサイクルショップ “やまうちサイクル” へ防犯登録を兼ねて一度点検をとおじゃまして来ました。

 

初心者の私にクロスバイクの乗り方から点検の仕方、その重要性を丁寧に教えてくれた店主の山内さん。

話によると、単にパーツを組み立てて終わりではなく、それを人間の目と手で精密に調整することで初めてその個体が持ってるポテンシャルが引き出され快適に乗ることが出来る。しかも、単にパーツが組み立てられた状態のみ、いわゆる整備不良で安く販売されていることが多々あり、それを購入していざ乗ってみると不調が出て、やまうちサイクルのような手抜きのないところへ持っていきしっかり整備を受けると、こんなにも軽くなり乗り心地が良くなった!と驚かれることもあるそうで。

 

説明を聞いていると、なんだかこれはピアノ業界とよく似ているなと感じました。

たとえば、工場で単にパーツを組み立てられた状態のみで、きちんと噛み合わせが出来てなくバランスもとれてない調整不良の状態で販売され、そんなことなど知る由もなくメーカーと価格比較だけで購入する消費者。いざ納品してみると案の定、弾き心地の悪さと音色のバラツキ等の不調を訴え、購入した販売店へ問い合わせてみても、

 

「製品には問題ありません」


「こんなもんです」

 

と言われる。
しかし、どうも納得のいかない購入者はその販売店に不信感を抱き、ようやくここで詳しく調べ始め、調整の重要性を知るわけです。

実は弊社では、「他店で購入したばかりだけどどうも調子がおかしくて」とこのような悩みをかかえたお客様からの問い合わせやメンテナンス依頼が増えています。
そして手抜きされていたこと(整調・整音)をじっくり一手間人手間かけて調整していくと、
「こんなにも弾きやすく綺麗な音色になるのか」
と仕上がりに驚かれます。

 

話は戻り、まさかサイクルショップ業界でも同じようなことが起きてると知り、他人事ではない気がしてならないと同時に、類友(類は友を呼ぶ)だなと、そんな店主の山内さんと気づけば外で2時間ほど話をしていました(笑)

実は山内さんとは我が子が通っている保育園の父母(正確にはOB)の集まりで知り合ったのですが、何はともあれ素敵な出会いに感謝です。


>>>やまうちサイクルFBページ

 

>>>やまうちサイクルHP

 

>>>知らないと損する「ピアノの整調と整音の重要性」

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ボストン1日メンテナンス

 

今日は岡山市内のお客様宅へ1日コースのメンテナンスを行ないました。

 

 

ピアノはボストンGP178

 


少し音色がこもり気味で鍵盤への感触も少しもたつく感じでした。
定期的にメンテナンスを行なっていますがお忙しくて普段あまり時間を確保出来なかったのですが、今回はある程度時間が確保出来たので土台から見直すことにしました。

 

 

 

 

まずは整調です。
鍵盤を全部外し掃除と金属のピンを磨きます。

 

 

 

【Before】



 

 

【After】

この全てのピンの滑り具合が同じにしないと鍵盤の滑らかな動きも揃いません。

 

 

 

 

同じくフロント(手前)キーピンも磨き、角度も88本揃えます。

 

 

 

 

鍵盤を入れてバランス(真ん中)キーピンの位置を定規をあてて揃えます。

 

 

 

【Before】

 

 

 

【After】

 

 

 

 

鍵盤の動きをスムーズにします。
手前側を左右に振って適度な遊びがあるかチェック。

 

 

 

数鍵だけ赤いクロスが湿気で膨張して遊びが少なかったので、専用工具で圧縮します。
バランス(真ん中)の穴も動きをチェックし終えたら次は鍵盤の高さ調整。

 

 

 

 

定規をあて、鍵盤の傾きや高さを揃えます。

 

 

 

 

鍵盤の下にはこのような赤いクロスと紙が挟まっています。
ピンセットを使い鍵盤の下にドーナツ状の紙を足して鍵盤を高くしているところです。ちなみにこの紙の厚みは0.06mmです。

 

 

 

 

ハンマーの調整です。
間隔が不揃いになっているのとハンマーに弦の溝が中心からズレて付いているので一度リセットします。

 

 

 

 

ハンマーの動きを同じ方向に揃えます。
専用の紙を貼り付け動く方向を変えます。

 

 

 

 

ハンマーも剥いて溝を取り新品の状態にします。

 

 

 

アクション部品の前後位置や高さを88鍵同じ場所に揃えます。
これをしないと連打が出なかったりします。

 

 

 

 

アクション部品の動くタイミングを揃えます。
どの鍵盤も同じタイミングにしないと不揃いだと弾き心地も音色も揃いません。

 

 

 

 

最後にスプリング調整。繊細なピアニッシモや連打が出るかどうかはこのスプリングにかかっています。

 

 

 

 

442Hzで調律

 

 

 

 


最後に整音です。
3本の弦にハンマーが同時に噛み合うように調整します。

 

 

 

一番左が最初に当たっていたのでその左だけを削ります。
これを低音から高音部まできちんとすると徐々に音色が揃っていき気持ちいいです。

 

 

 

 

最後にお客様にご試弾していただきました。
最初と比べ鍵盤・アクションのレスポンスも速くなり、輪郭のある音色に変わったので、もし柔らかいソフトな音色が好みだったら合わないかな、と思っていましたが、
喜んでいただけてOKでました。

 

 

そんなお客様は来年2月にルネスホール(岡山市北区内山下)でコンサートをされるそうです。是非お都合あればご観覧ください。

 

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


アップライトの最高峰

スタインウェイK-132

アップライトピアノの最高峰です。

 

 


肉厚なハンマーフェルト、

 

 

ドイツのレスロー弦(スチール弦)・デーゲン(低音巻線)、

 

 

アクションはドイツの最高級レンナー社製、

 

 

鍵盤の木材は鍵盤専門のクルーゲ社、

 

 

また独自の鉄骨フレームに厳選された良質な木材を使い、そして精巧に作られています。

これを丁寧に調整(整調・調律・整音)をすれば輝かしくダイナミックに響くスタインウェイならではの音やタッチになります。

 

 

このピアノK-132は定価5,600,000円と高価格ですが、他のメーカーに比べ群を抜いて素晴らしい仕上がりです。


しかしそんな最高峰のスタインウェイでも欠点はあります。それは連打(同音連続打弦)がやはりグランドピアノのように高速連打(1秒間に14回)が出来ない点です。音色や弾き心地は素晴らしく良いですが、連打には乏しい、やはりアップライトピアノの限界(連打が1秒間に7回)があります。ですのでグランドピアノを置くスペースがなくそれでも最高の音色でという方にはお奨めです。

 

 

 

>>>スタインウェイ

>>>ピアノの選び方とその問題点

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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