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ピアノの選び方とその問題点 ①

ピアノ選びのツボは、丁寧な整調の有無

世の中のほとんどのピアノは持てる性能の半分ほどしか出していませんと云っても過言ではありません。
 
そのワケは調律のみで、整調と整音が省かれているからですが、同じピアノでも丁寧な整調と整音で性能が全く違ったものになります。
 
下の鍵盤整調のシーンは、作業自体は当たり前のことを当たり前のようにやる単純な作業ですが、たとえばこの丁寧な鍵盤調整の有無だけでもピアノ(メーカー・新品・中古品を問わず)の弾き心地がずいぶん快適になります。

ピアノの性能は下記の3要素で決まりますので、単にブランド選びを意識しただけの試弾は、試弾の意味が半減します。



弊社でピアノを選ぶメリット

弊社独自の出荷調整作業を動画でご紹介しています

ピアノの調律とメンテナンス

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの寿命についてのお話 ⑤

アンティークピアノの場合

一部の愛好家にノスタルジックな魅力で人気があるアンティークピアノ(いわゆる100年物)ですが、フルオーバーホールをすれば味があり魅力的なピアノに仕上がります。

復元されたクララ・シューマン(シューマンの奥さん)が愛用されたと云われる1877年製のグロトリアン・スタインヴェック(劉生容記念 館)です。



 
岡山市中区湊  劉生容記念 館

ただ弦楽器と違い内部構造が複雑なピアノは、内部に膠(ニカワ)を使った膨大な接着箇所があり、それらは100年かそれ以上昔の接着ですので、それらの接着が突然剥がれる懸念があり、想定外のトラブルが起こる可能性があります。

ですからアンティークピアノは、ファーストピアノではなくセカンドピアノとして大切に使用し、設置環境(温度・湿度)にも特に気を使う必要があります。

またトラブルがひとたび起これば、その修理に面倒な手間がかかることが多いので、アンティークピアノのメンテナンスは引き受けないという調律師も多いので維持管理費用を含めて細心の注意が必要です。

余談ですが、ある高校の創立100周年記念の行事として、当時、高校にあった1880年代のスタインウェイをメーカー(ハンブルグ工場)に送ってフルオーバーホールしたことがあります。

この時には消耗品はもちろんですが、響板やアクションまでそっくり新品に交換して、以前のピアノで使ったのは外装のケースとフレームのみでしたが、後々まで責任があるメーカーだからやったのだと思いますが、100年以上経過した古いピアノでもここまでやれば安心ですが、修理費用も新品の価格並みになりました。

上記の 劉生容記念 館は、元々、絵画を展示・保管するする目的の建物で湿度・温度は適切に管理されているので、アンティーク・ピアノの保管場所にも適しています。

ピアノの寿命

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの寿命についてのお話 ④

本体とは別に、部品の消耗や経年劣化よる部品の寿命も考慮する必要があり、本来の気持ちが良い音色や響きを期待するなら、早めに(15~30年)消耗品(弦、ハンマー、フェルト、クロス類一式)も、新しいものに交換するのが望ましいと思います。

弦を張り替え中の1987年製のヤマハG2 弊社店頭にて



消耗したハンマーと新品ハンマーの比較


コストはそれなりにかかりますが、このようなオーバーホールをすると、新品同様に快適に使用できるようになります。

ちなみにオーバーホールの費用は、個体差とどこまで丁寧に仕上げるかで大きく異なります。

メーカーや使用部品の品質で異なりますので、あくまで目安ですが、一応の標準的な相場を申し上げますと、部品代がハンマー一式16万円前後、弦一式8万円前後、その他フェルト、クロス、チューニングピン等5万円前後、工房までの往復運送費、これに工賃(40万円~)が加わります。

ピアノの寿命

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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