[ ]サイレントピアノのメリット・デメリット
ヘットホーンで演奏ができるサイレントピアノ
メーカー純製(メーカー工場で新品から組み込む)と後づけの汎用タイプがあります。
鍵盤の下の光センサーのお蔭で、ピアノのタッチには悪影響なく、音を出さずヘッドホーンで演奏ができるので夜間のピアノ練習も可能というのが最大のメリットでカタログでもそう謳われています。
サイレントピアノのデメリットとは?
サイレント装置の仕組み
鍵盤の下のセンサーで早く鍵盤が下がると大きなピアノの電子音、ゆっくり鍵盤が下がると小さなピアノの電子音がヘッドホーンで聴くことがきますが、デメリットが一般にも認識されてきて最近はあまり話題にならなくなりました。
鍵盤の下に設置されたセンサー
センサー自体は悪影響はないのですが、ハンマーが打弦する手前でハンマーを強制的にストップさせることで様々な弊害が出ます。打弦する前にバーによって強制的にハンマーの動きを停止させます(グランド用)
アップライトの打弦までのメカニズム
グランドピアノの打弦までのメカニズム
サイレンピアノは接近の距離を多く取る必要がある
接近とは?
鍵盤をゆっくり押さえていくとハンマーが弦にあたる寸前で戻ってきますが、この時のハンマーと弦の距離を接近と云いますが通常は1mm~2mmに調整しています。
サイレントピアノの場合は、バーでハンマーの動きをシャンク(ハンマーについている棒状のもの)のところで強制的に止める仕組みですが、シャンクのしなりで打弦するので、サイレントピアノでは接近を7mm以上取る必要があります。
そうすると音は出ないのですが、今度はジャック(ハンマーを突き動かす部品)の抜けがなくなりアクションが機能しなくなるので、通常1~2mmの接近を7mm以上にする必要があります。
そのためにアクションが本来の性能を発揮しないことと、演奏者はサイレント使用時はシャンクでフェルトを叩くのでタッチに違和感がありますし、さらにサイレントを使わず演奏した時も音もぼやけた音になり表現力も劣ります。
それを防ぐためにメーカー純製のサイレントGPの中には、サイレント使用時とそれ以外でモーターで接近の距離を変える凝った仕組みのものもありますが、仕組みが複雑になるのでメンテナンスにも余分な手間がかかります。
極めつけはヘッドホーンの音は電子音なので、サイレントピアノでの練習は電子ピアノで練習するのと同じことになり、演奏者が良い音を出す弾き方はできない(誰が弾いても同じ音色)ので、その意味で少なくともクラシックピアノの練習には不向きです。
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