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快適なピアノ演奏には部屋の音響も重要です

ピアノ等の生楽器は、基本的にアンプ等を使わず演奏空間の音響がそのまま演奏者に伝わるので、ピアノ部屋の音響が非常に重要ですが、重要な割にあまり注目されないのがピアノ部屋の音響です。

ピアノの性能(音色や響き、気持ち良さ等)



ピアノの音を聞く時に我々は直接音と間接音を聞いている訳ですが、実際に聞いているのは間接音の方が大きいそうです。

間接音というのは床や壁、天井から反響してくる音ですが、経験に云えることはあまり狭い部屋だと頭が痛くなります、よく苦情を耳にするのがアビテックス等の防音室ですが高価なので狭い部屋になりがちで、あまり狭い防音室だと30分もすると頭が痛くなるようです。

音響も欲を云えば切がないのですが、やはりピアノ部屋は最低でも6畳くらいは必要なようです、後は遮音と吸音のバランスを考える必要があり、狭いくライブ(良く響く)な部屋だと頭が痛くなりますし、防音を考慮して吸音をやり過ぎるとピアノ本来の響きが楽しめません、歌などは謳う気がしなくなります。

ピアノはファツィオリF212、 防音と快適な音響を施したマンション、上部の天井を高く取り、音圧のために壁には拡散パネルが設置されています。  都内南麻布にて  演奏者はファツィオリ・ジャパンのアレック・ワイル氏 ※下記のテクニカルサウンドさんが設計・施工


弊社が管理している多目的ホールの反響板 ピアノはスタインウェイDモデル


浜松ピアノ店の3Fホール 20坪少々の広さがありますので適度な音響があります。


音響の失敗例
過去に弊社がピアノを納入したある多目的ホールでは、ピアノはスタインウェイを購入して頂いたのですが、音響まで考える予算がないということでそのままオープンしました。

さっそく地元の演奏家がピアノとのフルート?のアンサンブルを試みたところ、相手側の音が聞こえず、急遽、簡易型の反響板を購入しましたが、設置に手間がかかる上、見た目も不細工でした。
多目的ホールとしては人気があるのですが、今では生楽器の演奏会にはあまり使われなくなりました。

もう一つの失敗例
都内の品川のマンションで防音工事をされてから、3世代でお使いになるということで素敵な木目のディアパソンGPをご購入いただきましたが、防音の再工事をされることになりました。理由をお聞きすると大奥様が歌をやられるのですが、全然、声が響かないそうで、やむなく防音の再工事になったそうです。

防音や音響の専門家、テクニカル・サウンドの工場で中辻社長(右)と筆者






防音・音響対策を詳しく勉強されたい方は下記のHPで解説しています。
テクニカル・サウンド

ピアノの防音対策

 ピアノの調律とメンテナンス

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの性能(表現力)は調整次第で大きく変わります

「いかなるピアノの性能も調整次第」という事実、これはピアノの性能を語る上で基本中の基本ですが、これはピアノが仕上がってから快適なピアノにするためにやる最後の仕上げ調整や、その性能を維持するためのメンテナンスです。

ピアノの調整作業は大手メーカーと云えども機械化や合理化ができず、技術者の手で一つひとつ仕上げるしか方法がないのでメーカーや販売店からみると非効率でコストがかかります、特に問題なのは調整の重要性については、私が知る限りでは有名高級ブランドのトップや幹部する知らない人が大半だということです。

トップが調整の重要性を理解されていない以上現場は動けないので、今は高級ピアノでも作業効率が悪い仕上げ調整が省かれるようになっています。

ピアノの設計は基本的はどれも同じなので、高級ピアノのように良い材料を使い丁寧に作れば、基本的に良く鳴りますし音色や響きも魅力的ですが、この最も基本的な調整を押えなければ、ユーザーはいかなる有名な高級ブランドのピアノを選んでも価格ほどの満足は得られないはずです。

材料の良し悪しによっても性能(音色や響き)が変るピアノ(ヤマハの鍵盤蓋)


材料によっても性能が変るピアノ(ヨーロッパ製のペトロフの鍵盤蓋)

良い材料と丁寧な製作とは別に、演奏者の意図したように演奏ができるピアノ、すなわち鍵盤の高さやタッチの重さが均等で音色の粒が揃い、表現が難しいトリルや綺麗で明確なピアニシモなど演奏者の意図したように弾けるピアノ(表現力)に仕上げるには高級・安価に関わらず丁寧な調整が不可欠です。

なぜメーカーや販売店で丁寧な調整がされないのか?

その理由は調整(整調)にはあまりにも多くの時間(コスト)がかかるからです。

 各作業の所要時間の概念 
実際には調律の所要時間は1時間少々、整調(調整)は3日(24時間)かかります




たとえば高級ピアノの代名詞のスタインウェイですら、以前は日本で3日間(24時間)かけて出荷調整が行なわれていましたが、今ではコスト削減で5時間に制限されているようですので、まして安価なピアノでは丁寧な出荷調整はほとんど期待できません。

独自の丁寧な調整を動画でご紹介しています

中古ピアノが商品になるまでの弊社独自の作業工程

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調律師に絶体音感の必要性はあるか?

音大出身で絶対音感がある自分は調律師に向いているか?というご質問を頂きましたので改めて絶対音感について考えてみました。

「音大出身者は音楽が好きでピアノが弾けるという意味で良いのですが、調律師と絶対音感はあまり関係ありません」というご返事をしました。絶対音感に対して相対音感がありますので、相対音感も基音さえもらえばユニゾンや音階を取るには何ら困ることはありません。

また何でもそうですが、意識を集中すると意識がだんだん拡大してきますので、いつも気にしている(意識の集中)ことは良くも悪くも敏感になります。ピアノで云えば調律の狂いもそうですが、音色、タッチ、響き等も皆そうです。

調律師で日々の仕事の中で作業に意識を集中していると、音だけでなく目の方もちょっとしたハンマーのずれや歪みも一目でわかるようになります。

調律師の仕事は、音を出して音階を整える作業をイメージされるので、それが絶対音感云々という話になったのかと思います。

しかし調律師の仕事で音を出す作業は全体の極一部であり、大半の作業は調整(整調)という音が出ない地味な作業なので、調律師としての適性はこの地味な作業を手を抜かず順番にコツコツ出来るか?というところにあり、そんな面倒くさいことは嫌いという人は調律師に向いていないように思います。

調律師の仕事に必要な作業時間のイメージ

音を出す調律作業は調律師の仕事の極一部に過ぎません


調律師の仕事の大半は音出さない地味な作業の連続です











広義の調律とは、整調・調律・整音がセットになった作業ですが、調律にかかる作業時間は調整に比べれば僅かなものです。

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