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調整の基本、ベッティング・スクリューのお話

グランドピアノは棚板と筬(オサ、鍵盤とアクションを載せている)の隙間が湿度変化により不均衡になるので、その都度、調整するためのベッティング・スクリュー(ネジ)があります。



グランドピアノの棚板

筬に載ったまま引き出された鍵盤とアクション

鍵盤側から見たベッティング・スクリュー

 

筬を裏側見た写真と鍵盤方向から見えるベッティング・スクリュー

丸い金属部分がピアノの棚板と接しており、ベッティングスクリューで金属部分の出方を調整して棚板と筬の隙間を調整します。
(ソフトペダルを踏むと金属部分を接点として筬が移動します)


なぜ棚板と筬の隙間の調整がなぜ基本的に重要なのか?


鍵盤と棚板(ピアノ本体部分)の隙間が大き過ぎる部分があると、鍵盤を叩いてもその部分はパワーロスが生じるからです。

隙間が大きい部分は、鍵盤を叩いても底なし沼の鍵盤を叩いている感じに似てパワーロスが生じて、思ったような打弦ができません。

ですのでこの棚板と筬の調整が上手く出来ていなければ、他をいくら調整しても弾き難く表現力の劣るピアノになります。

この部分は鍵盤やアクションを支える土台ですので、ここの不具合が全てに悪影響を生じさせます。

ピアノの棚板と筬は湿度の関係でたえず伸びたり縮んだりしていますので、すべての調整をする前にこのベティングスクリューによる棚板と筬の隙間の調整が必要です。
 
大切な調整ですが、現実にはほとんど行われていないように思います。

その理由は土台であるベティング・スクリューをいじると、その上に載っている一連のメカニズムの調整も同時に必要になるので手間がかかるので、業界では日頃からベティング・スクリューを調整する習慣がありませんが、非常に重要な基本的な調整ですので、ユーザーの方も知っておく必要があると思います。

ピアノの選び方とその問題点

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


一戸建ての防音対策は二重サッシの隙間を10cm以上取るのがポイントです

一戸建ての防音対策は、音漏れに一番弱い窓ガラスを二重サッシにすること、それもサッシとサッシの間(窓ガラスと窓ガラスの間)を10㎝以上空けるのがポイントです。

ガラスとガラスの間を10㎝以上空けた防音窓

一戸建てで外部への防音を考えた場合、遮音壁として一番強いのが壁で、一番防音に弱いのが窓ガラスです。

しかし単に窓を二重サッシにしただけでは防音効果は半減で、少しコストがかかりますが、思い切ってサッシとサッシの間を10㎝以上空けると防音効果は倍増し、壁以上の防音効果が期待できます。

更に部屋のドアを二重ドアにすると家のなかでも他の部屋への音漏れなくなります。

二重ドアにした防音室


さらに換気扇も防音用の二重になったものすれば、一戸建ての防音対策はほぼ完成ですが、ほぼと云う意味は、これ以上の防音を考えると、家の防音壁としては最強である壁を強化する必要があるのでさらにコストがかかりますが、そうすれば音楽スタジオ並みの無音の防音室になります。

ピアノの防音対策

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


マンションの防音対策は、階下への個体振動音を防ぐのがポイント

大坂のタワーマンションへの納入例
防音対策は写真のピアノ架台だけ、納入して既に数年経過していますが防音問題は発生していません。

音というとテレビの音や話し声をイメージしますが、これを空気伝播音と呼びます。それとは別に壁を金槌で叩いた時に出るような音を個体振動音と呼びますが、この二つに対して防音対策を考える必要があります。

マンション等の集合住宅の場合は、まずは空気伝播音に加えて階下に伝わる個体振動を遮断してやる必要がありますが、このピアノ架台は階下への個体振動音と空気伝播音対策として非常に有効ですが、お値段が約25万円ほどとやや高価です。
  
下記でご紹介する方法ある程度有効だと思いますが、いずれもピアノ自体を加工しないのでピアノには優しいと思います。
 
階下への個体振動音を防ぐためのゴムのインシレーターで、構造的にピアノのキャスターを床から少し浮かすように工夫されています。アップ・グランドとも約2万円程度

防音・防振マット 2万円前後

番外編ですが、厚手のオールカバーを使用する方法


これは偶然に発見したのですが、その昔、初めてショールームにスタインウェイを展示するにあたり、高価な売り物のピアノに傷がつかないように最高級の厚手のオールカバーをオーダーしてみました。

このオールカバーで鍵盤部分だけを開けてお客様に、さあ、スタインウェイをご試弾下さい!とやったところ音量が小さくなり過ぎて、試弾の意味がなくなりました。
 
しかし防音対策として考えた場合、この厚手のオールーカバーで、さらに譜面台をカバーの上に置いて弾くと、音量の小ささに少々欲求不満にはなりますが、確実に絶対音量は下がります。

但しこの厚手のオールカバーはオーダーメイドになりますので12万円程と少々高価になるのが欠点ですが、簡単、確実に音量は下がります。

ピアノの防音対策

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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