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低音域の巻き線も消耗品です

ピアノ線は、芯線と巻き線の2種類あるのですが、低音部は低い音を出す必要があるので、芯線に銅線を巻いた太い巻き線が使われます

芯線は弦をそのまま張るのですが、巻き線の巻き方は手巻きと機械があり、最近の量産ピアノに使われている巻き線は、ほぼ機械巻きになっているようです

巻き線は少し古くなるとジン線(文字通りジンジンという雑音)やボン線(鳴りが悪くなる)ということが起こることがあり、その場合は巻き線を交換することになります。

弊社がいつも巻き線をお願いする浜松の株式会社 貴富工業(タカトミ)の冨田さん 

見た目では巻き線の良し悪しは判断できないのですが、巻き方が悪いとジン線とかボン線とかという言葉に代表されるように音や響きが悪くなります。

そこまで悪くなくても興味深いことに、名人の巻いた巻き線は、同じピアノでも明らかに気持ちが良い低音になりますので、低音域の音色や響きにこだわっていくとこの巻き線の良し悪しということが重要になってきます。

これは彼が作ったオリジナルのワッカ(弦の先の円い輪)を作る機械です


出来上がった巻き線の太さをチェックしているところです

さまざまな太さの銅線で、ピアノによりまた同じメーカーでも年代や古さによっても、使う芯線と銅線の
太さが違ってきますが、そのあたりも冨田さんの長年のノウハウの蓄積の賜物と云えます

ご夫婦での経営です

冨田さんのお話では、元々、実家で昔ピアノを作っていたそうで、その関係で何と小学校の高学年から、巻き線を家で巻いていたそうです。

明治大学の工学部を卒業してからも、巻き線作りが好きなので、70歳になる現在も巻き線を巻いているそうで、巻き線製作歴も60年近くになるようですので巻き線に関しては、日本でもっともベテランになります。

彼の大学ノートを少し見せてもらったのですが、様々なメーカーの機種別、年代別に、細かいデーターがびっしり書き込まれていました。

どんなデーターかといいますと、ピアノの弦というものは、弦の材質もさることながら、同じピアノでも弦の太さで張力が変わり、張力が変わると音色も響き具合も変わるという奥の深い話になりますが、そのあたりも過去の試行錯誤からの彼の独自の緻密なデーターをお持ちのようです。

チェコのペトロフの工場内での巻き線を巻いている作業風景です
もう日本では、このような手作業(手巻き)の風景は見ることができなくなってきているようです。


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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