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中古ピアノの落とし穴とは?№2

けして中古ピアノ=劣るピアノという訳ではありません。むしろ主材料の木材は年数経過すると固く強固になるという木材の特性から、古い弦楽器と同様に楽器としての基本性能は古いピアノの方が優れているます。

ですから古いピアノでもしかるべき調律師がきちんと手を入れた(整調と整音)ピアノなら、今の同クラスの新品ピアノよりタッチも音色も魅力的なものになるはずですが、安く販売するために手間がかかる整調と整音が省かれている中古ピアノが大半なので中古ピアノ=劣るという評価になります。

さらにピアノは内部に複雑にリンクした消耗部品(弦、ハンマー、フェルト類)が多く、それらの消耗部品の劣化が大きいものは交換が望ましいのですが、これは車のタイヤ交換のように簡単にいかず、しかも単に交換すれば良いという訳ではなく、その交換、取り付けも調律師の技術力や意識レベルにより出来上がりに大きな差が出ます。

代表的な消耗品のハンマーの新旧の写真ですが、先が平らなのはそろそろ交換の必要があります。


中古ピアノ代表的な消耗部品のハンマー交換

ハンマーを交換するとハンマーの重さも変わるので鍵盤の鉛調整も必要になります


ハンマー交換の際には、同時に鍵盤の鉛調整が必要です!

弦も消耗品なので交換の必要がありますが、長年使うとチューニングピンの穴が大きくなり弦が緩み(調律が狂う)易くなるので、弦の交換時にピンを一回り太いもの替える必要もあります。


低音域の巻き線も古くなるとジン線やボン線と呼ばれる異音が出る傾向がありますので張り替えが望ましく、張り替えの場合は、できれば高級な手巻きの巻き線に張り替えます。


ピアノ内部にはたくさんのフェルトやクロスが使われていますが、これらの劣化があるので、これらの貼り換えや、擦りあわせ調整の必要があります。


最近、都内在住のピアニストからスタインウェイの弦、ハンマー、フェルト交換のご相談があり、関東の2社から修理見積もりを取りましたが安いところが120万円、弊社の友人のところが200万円でしたが、この差をどう見るかです。

弊社でオーバーホールした1965年製のスタインウェイのセミコンサートピアノ。



同じ作業でこの価格差は何が違うのか?安いところでやったら何が問題なのか?


これは業者内の評判から判断するしかないのですが、安くても弦の張り方やハンマーの取り付け等を歪んだまま一旦取り付けられると、これを後から正しく修正するのは容易ではなく、結局二度手間になる可能性が高いので、その意味でも余程信頼できる業者、と云うよりも信頼できる調律師に最初から依頼するしかないわけですが、一般の方には見分けがつかないと思います。

有名ブランドのヤマハ、カワイ、スタインウェイと云えども若く優秀な技術者がほとんど育っておらず(育てるという考えがない)かといってあまりベテラン過ぎるのもどうかと考えると技術者選びも難しく、最終的には信頼できる人脈に頼るしかありません。

最近は人手不足でどこの業界も同じかと思いますが、特にピアノ業界は、長い間、若くて優秀な調律師は育っていない(育てていない)ので、後10年もすると調律は出来ても、まともに整調・整音できる調律師はほとんどいなくなるのではと危惧しています。

わかりづらい中古ピアノの問題点

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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