[ ]代表的な消耗部品、ハンマーの交換
消耗部品の代表的なものがハンマーです、車でいえばタイヤ交換に似ていますが、全ての作業を人の手でやるので大変です。
これは新しく交換したハンマーの腹に針を刺して柔らかくしているところですが、針刺しの多いハンマーでは片側だけで100回ほど(両サイドで200回)の針刺しが必要になります(第一次整音)。
ちなみにスタインウェイのハンマー(部品代)のお値段は?
スタインウェイのハンマーヘッド、シャンクフレンジ付 第一整音済のお値段は、卸価格で111万円でこれに別に工賃が加わります。
針刺しをしますと刺した箇所が膨らんできますので、今度はこれを削って形を整えているところです。
これは走りといってハンマーが同じ動きをするか動かしてチェックしているところです。
ハンマーが同じ動きをするかチェックをして、このようなのり紙を貼ってバランスを取ります。
ハンマーを交換するとタッチに重い軽いのバラツキが出るので、鍵盤の鉛調整(鍵盤の重さ、何グラムで鍵盤が下がるか?何グラムで鍵盤が上がるか?を統一する作業)も必要になりますが、その鉛調整の前に、先ずはピアノ全体の調整が必要になります。
鍵盤の鉛調整とは?
車のタイヤ交換ならば、ちょっとお茶を飲んでいる間に4本のタイヤを交換して、機械でホイルバランスまできちんと取ってくれますが、このホイルバランスにあたる作業をピアノの場合は、88鍵分、手作業で整えていかなければならないので、調律師の作業も大変な手間がかかります。
今回ハンマー交換をした1988年製ヤマハG2Aですが、使用頻度の高いピアノは新しくても早めの交換が必要になります。