[ ]ピアノ業界のファースト、セカンド、サード・ラインの意味は?
ピアノ業界の用語でファースト・ライン、セカンド・ライン、サード・ラインという言葉がありますが、これの意味は本国で全て製造されたものがファースト・ライン、他国で半分を委託生産、本国で最終仕上げしたものがセカンド・ライン、全て他国で委託生産されたものがサード・ラインという意味で使われます。
代表的なファーストライン
年産130台の最高級ピアノ イタリアのファツィオリピアノ
輸入元 港区のファツィオリジャパン
本来の意味での日本製、ドイツ製はファースト・ラインですが、今ではヤマハ、カワイをはじめヨーロッパの老舗ブランドも、その多くがセカンド・ラインかサード・ラインで製造されており、今ではファースト・ラインは一部の高級ブランドか高級品に限られます。
ファーストラインで今でも昔ながらレトロな製造
チェコの名門 ペトロフピアノ
たとえばチェコのペトロフ社の場合は、ペトロフ以外のブランドを3っ持っており、ペトロフブランドがファースト・ライン、他のブランドは中国でセカンド・ラインかサード・ラインで生産されています。
スタインウェイ社の場合もファースト・ラインがスタインウェイ(ドイツまたはアメリカ)、サード・ラインがボストン(日本)、エセックス(中国)という風にブランドにより生産国が明確になっています。
ピアノの場合は最終組み立てをした国を生産国とする業界ルールがありますので、矛盾していますがセカンド・ラインまでが、日本製、ドイツ製等の表示がされています。
問題は多くのメーカーで同じブランドでファースト・ラインとセカンド・ラインから供給されるものが多いので、生産国表示だけではファースト・ラインかセカンド・ラインかの区別がつかないのが問題です。
ピアノのバック(支柱、響板、フレームに弦を張ったもの)や鍵盤を中国やインドネシアから輸入して、最終組み立てのみ日本でおこなっている日本製のピアノも今ではごく普通です。
サード・ラインのみが中国製、インドネシア製の表示になりますが、基本的にはセンカンド・ラインとサード・ラインには性能的に大きな違いはないので、サード・ラインでは生産国表示が中国やインドネシアになり、我々日本人にはやや抵抗感があります。
ですから最近はメードインヤマハという言葉も出来ていますが、これはどこの国で作られようがヤマハはヤマハなので生産国は気にするなと云う意味だと思います。
しかしながら、これを日本で丁寧に調整をしてやると魅力的なピアノに仕上がるものがあります
中国の場合は完成品を中国から輸出する際に中国政府から何らかの補助金が支給されるようですので、老舗のヨーロッパブランドでも本国生産の1/3程度で購入できます。
中国で委託生産されるオーストリアの名門 ウェンドル&ラングピアノ
中国で委託生産されるドイツの老舗ブランド フォイリッヒ
ちなみにハイルーン社は中国で№3の規模の会社で、主にヨーロッパメーカーの委託工場として有名ですが、№1は国営企業のパルーリバー、№2は杭州ヤマハとなっています。
日本で70万円台から購入でき、性能的にも魅力的なウェンド&ラング
浜松ピアノ店 ショールームにて
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間違いだらけのピアノ選び ~ 目 次 ~
【第一章】大半のピアノが本来の性能を発揮していない
◎ピアノは8千個の部品◎ピアノはリモートコントロールで打弦する楽器
◎仕上げが整音
◎試弾は調整されたピアノでないと意味がない
◎ピアノはセミオーダーの楽器です
【第二章】調整によるエピソードのお話
◎中古ピアノが高い勉強代に
◎安価でも高級ピアノより魅力的
◎ブランドを信じて購入したが失敗
◎調整が自慢のシゲル・カワイでも不満
◎値段ほど差がない高級ピアノ
◎好みのスタインウェイがなかった
◎丁寧な調整でヤマハでも満足
◎好みのスタインウェイを求めて
◎スタインウェイはトリルができるがヤマハは?
◎ヤマハは温泉に浸かったような音?
◎ピアニストと専属調律師のお話
◎腱鞘炎になって困っている
【第三章】中古ピアノの問題点
◎中古ピアノは安かろう、悪かろうが多い
◎さらなる中古ピアノの問題点
◎古いピアノは楽器としての性能が良いか?
【第四章】調整シーンを写真でご案内
◎グランドピアノの調整作業
◎アップライトの出荷調整作業
【第五章】主に中国で生産される現代のピアノ
◎最近のピアノの生産事情
◎ファースト、セカンド、サードラインという業界用語
◎メードインチャインナ&浜松ピアノ店フィニッシュ
【第六章】日本のピアノ事情
◎毎年減少する日本のピアノ市場
◎余談ですがスタインウェイについて
【第七章】筆者のブランド選びの見解
◎コストパフォーマンスが高いか否か
◎ピアノは素材という考え方
◎メンテナンスについて
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