[ ]ピアノの鍵盤の重さ、レスポンスについての考え方
ピアノの鍵盤は重さはダウン(何グラムで下がるか)とアップ(何グラムで上がるか)のバランンスの上に成り立っており、それ以上軽くても重くても弾き難いピアノになりますので、鍵盤の重さは大体50g位が標準で、多少の重め軽めはあってもどこのメーカーのピアノもほとんど似たような設計値になっています。
たとえば適切に調整されたスタインウェイの鍵盤の重さ(タッチ)はS-155~B211までは47gの重さで鍵盤が下がり、20gの重さで上がるように設計されており、セミコンとフルコンサートピアノは低音部が52g~高音部47gになっています。
鍵盤の重さ(ダウン)を測っている写真です。
しかしメーカーの設計以上に鍵盤が重くなる大きな要因は、鍵盤周りのムービングパーツの擦り合わせ調整不良や汚れ、錆びてブレーキがかかった状態であったり、アクション等の調整不足でロスが大きく、本来の力で弾いてもピアノが十分に反応してくれないためです。
ピアノの定期メンテナンス風景、新品時から丁寧な鍵盤調整が必要です
十分な鍵盤調整やアクションの調整ができていないピアノは、メーカーに関わらず鍵盤が鍵盤が重く表現力が劣るピアノになります。
表現力のあるピアノとは、鍵盤を通じて演奏者の意図したように演奏できるピアノのことで、具体的にはピアニシモが綺麗に出せて、トリルも自由にでき、大きな音も力まずに出すことができるピアノですが、丁寧な調整の結果として初めて情緒豊かな演奏ができるピアノになります。
誤解のないように申し上げますと、これは中古品、安価、高級とは関係なく、いかなるピアノであれ丁寧な調整で表現力豊かなピアノになります。
特にまだ指の筋肉が十分に発達していないお子様がお使いになるピアノは、よく調整されたピアノが絶対条件になります。
お子様にはどんなピアノを選んだら良いか
また鍵盤が重いピアノ(調整ができていないピアノ)で無理して弾いていると最悪、指が腱鞘炎になることもあります、歯に例えると、先ず歯の矯正をしてから噛み合わせ調整をするとモノが良く噛めるとの似ています。
しかしながら今は高級ピアノを含め多くのピアノがコスト削減で新品時から鍵盤調整やメカニズムの調整が省かれています、これがタッチが重い(弾き難くレスポンスの悪いピアノ)原因です。
個々の調整作業を短く動画に編集していますのでご覧ください。
ピアノの本来の性能を発揮させるには丁寧な調整が必要不可欠です!
ピアノの性能(タッチ、音色、表現力)を大切にお考えの方に
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間違いだらけのピアノ選び ~ 目 次 ~
【第一章】大半のピアノが本来の性能を発揮していない
◎ピアノは8千個の部品◎ピアノはリモートコントロールで打弦する楽器
◎仕上げが整音
◎試弾は調整されたピアノでないと意味がない
◎ピアノはセミオーダーの楽器です
【第二章】調整によるエピソードのお話
◎中古ピアノが高い勉強代に
◎安価でも高級ピアノより魅力的
◎ブランドを信じて購入したが失敗
◎調整が自慢のシゲル・カワイでも不満
◎値段ほど差がない高級ピアノ
◎好みのスタインウェイがなかった
◎丁寧な調整でヤマハでも満足
◎好みのスタインウェイを求めて
◎スタインウェイはトリルができるがヤマハは?
◎ヤマハは温泉に浸かったような音?
◎ピアニストと専属調律師のお話
◎腱鞘炎になって困っている
【第三章】中古ピアノの問題点
◎中古ピアノは安かろう、悪かろうが多い
◎さらなる中古ピアノの問題点
◎古いピアノは楽器としての性能が良いか?
【第四章】調整シーンを写真でご案内
◎グランドピアノの調整作業
◎アップライトの出荷調整作業
【第五章】主に中国で生産される現代のピアノ
◎最近のピアノの生産事情
◎ファースト、セカンド、サードラインという業界用語
◎メードインチャインナ&浜松ピアノ店フィニッシュ
【第六章】日本のピアノ事情
◎毎年減少する日本のピアノ市場
◎余談ですがスタインウェイについて
【第七章】筆者のブランド選びの見解
◎コストパフォーマンスが高いか否か
◎ピアノは素材という考え方
◎メンテナンスについて
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