[ ]松尾楽器さんの閉店とスタインウェイ社の現状とこれから
松尾楽器さんの閉店
松尾楽器さんが2020年12月一杯でスタインウェイの販売をやめ、それに伴い松尾ホール、スタジオも2021年3月で閉められました。
松尾楽器さんばスタインウェイの元日本総代理店であり、60年以上日本のスタインウェイの普及に多大な貢献をされ、全国のホールへのスタインウェイの納入実績やその技術力も業界では高く評価されていました。
しかし1997年にスタインウェイの子会社のスタインウェイジャパンが設立されてから総代理店の座をスタインウェイジャパンに譲りましたが、その後も日本のスタインウェイの半分以上を販売する日本最大のスタインウェイの専門店でした。
松尾楽器さんの閉店の理由
念のために松尾楽器さんに直接今回の閉店の理由を聞きましたが、スタインウェイ社から一方的に契約を解除されたそうで、松尾楽器さんとすればメーカーから契約を解除される以上閉店するしかなかったようです。
スタインウェイ社との取引契約書にいつでも契約を解除できるとの文言がありますので、スタインウェイ社はいつでも一方的に取引契約を解除できるということになります。
松尾楽器さんの閉店に伴い今後のスタインウェイの販売は、メーカーショールームを中心に徐々にメーカーによる直接販売に切り替えていくようです。
松尾楽器さんがスタインウェイに貢献したもの
私見ですが、最大の貢献はホールのメンテナンス契約にあると考えています。
調律はコンサートごとに行いますが(これは他のメーカーも同じ)これとは別に、年に一度、2日間かけて丁寧な調整と整音を行いますが、これはスタインウェイだけです。
このことによりホールのスタインウェイはいつも快適に演奏できます。これは松尾楽器さんにより習慣化されました。
弊社はこれに学び、弊社が販売する高級、安価、中古、新品、メーカーを問わず弊社から出荷する全てのピアノに対して、丁寧な調整と整音(出荷調整とメンテナンス)を行うようになりました。
スタインウェイの直営店「スタインウェイ&サンズ東京」が2021年1月 北青山に移転オープン。
「スタインウェイ&サンズ東京」新店舗 オープン2021年1月8日(金)
住所:〒107-0061 東京都港区北青山3-4-3 ののあおやま1F
TEL:03-6721-1618(1月8日以降)
スタインウェイの直営ショールーム スタインウェイ&サンズ東京
これからのスタインウェイ社の厳しい経営環境
余談ですが、日本での販売も自動演奏のスピリオを強力に販売促進するスタインウェイ社ですが、日本では自動演奏ピアノのブームは既に終わっており、頼みの中国市場も今は販売が9割ダウンと激減しているようで、NYスタインウェイも販売が減少しおり工場稼働率を何とか確保するために、日本の輸入分を含め小型のスタインウェイはNY工場でハンブルグ仕様を生産しているようですが、中国の富裕層がメインのスタインウェイ社の今後の経営は相当厳しいものがあるようです。
今はスタインウェイの強力なライバルのファツィオリが登場していますが、こちらは年産数千台のスタインウェイに較べ、頑張って年産150台程度なので商品不足で苦労しているようです。
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【第一章】大半のピアノが本来の性能を発揮していない
◎ピアノは8千個の部品◎ピアノはリモートコントロールで打弦する楽器
◎仕上げが整音
◎試弾は調整されたピアノでないと意味がない
◎ピアノはセミオーダーの楽器です
【第二章】調整によるエピソードのお話
◎中古ピアノが高い勉強代に
◎安価でも高級ピアノより魅力的
◎ブランドを信じて購入したが失敗
◎調整が自慢のシゲル・カワイでも不満
◎値段ほど差がない高級ピアノ
◎好みのスタインウェイがなかった
◎丁寧な調整でヤマハでも満足
◎好みのスタインウェイを求めて
◎スタインウェイはトリルができるがヤマハは?
◎ヤマハは温泉に浸かったような音?
◎ピアニストと専属調律師のお話
◎腱鞘炎になって困っている
【第三章】中古ピアノの問題点
◎中古ピアノは安かろう、悪かろうが多い
◎さらなる中古ピアノの問題点
◎古いピアノは楽器としての性能が良いか?
【第四章】調整シーンを写真でご案内
◎グランドピアノの調整作業
◎アップライトの出荷調整作業
【第五章】主に中国で生産される現代のピアノ
◎最近のピアノの生産事情
◎ファースト、セカンド、サードラインという業界用語
◎メードインチャインナ&浜松ピアノ店フィニッシュ
【第六章】日本のピアノ事情
◎毎年減少する日本のピアノ市場
◎余談ですがスタインウェイについて
【第七章】筆者のブランド選びの見解
◎コストパフォーマンスが高いか否か
◎ピアノは素材という考え方
◎メンテナンスについて
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