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スタインウェイはトリルができるがヤマハはできない?

ヤマハのピアノ講師の方でヤマハのC3を30年ほど使用されていましたが、スタインウェイに買い換えて頂いた方がおられます。

「スタインウェイのどこが好いですか?」とお聞きしたところ「スタインウェイはトリルが効くから良い」というご返事をいただきました。

後日、下取りのためにC3を見せてもらいましたが、調律カードを見ると、さすがにピアノ講師だけに毎年ヤマハのベテラン調律師が調律をされていました。

鍵盤を触るとドローとした手応えだったので、たぶん、購入後、一度も鍵盤調整をしていなかったようでトリルが出来ないくらい鍵盤が重いので、ヤマハの調律師から買い換えを勧められ、年齢的に最後のピアノということで、ヤマハではなくスタインウェイに買い換えられたようです。

この鍵盤調整を一度もしないメンテナンスのお陰でスタインウェイが売れたわけですが、このような話は意外と多いのではと思います。





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資料をご覧になった方の感想

弦楽器や他の楽器と違うピアノならではの特殊性をご理解頂くためのもので、一旦ピアノの特殊性をご理解頂くとピアノという楽器に対する概念や対処も大きく変わり、これまで以上にピアノと良い関係が築けます。

浜松ピアノ店代表 植田信五 

筆者プロフィール


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの寿命は何年位と考えるべきか?

結論から云えば、修理(リニューアル)をすれば何年でも使えますが、費用対効果で、買い替えた方が合理的か否か?となりますが、一番はオーナーがどれだけの愛着が持てるピアノかどうか?ということが重要ですし、高額になった今のヨーロッパ製ピアノの場合はアップライトで250万円以上、グランドなら1千万円以上ならオーバーホールする合理的な価値があります。


ピアノのリニューアルは1台1台手作業なので作業効率が悪く、ピアノを1台製作するほどの費用がかかりますし、関わる技術者の腕次第で出来上がりも大きく異なります。

以前、ある高校の100年以上前のスタインウェイGPをハンブルグ工場でリニュアルしたことがありますが、この時は600万円ほどの修理費用の請求がありましたが、この場合はメーカーならではの修理で響板やアクション含めてほとんど新品に交換されていました。

一言にリニューアルと云ってもどのような技術者がどこまでやるかということでコストが異なりますが、内容的には弦やハンマー、フェルトやクロス類という消耗品を新品に交換し、外装の修理と再塗装してから再調整するのが本来のリニューアルという概念ですが、それ以上となると響板やアクションもそっくり新品にそっくり交換する(前出の例)こともあります。

代表的な消耗部品のハンマー
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消耗部品の弦
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たくさんのフェルトやクロスが使われていていますが、これも消耗品です。
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弊社でリニューアルした1965年製スタインウェイ C-227
(セミコンサートモデル)お客様宅にて
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高級ピアノに資産価値はあるか?

というご質問を時々頂きます

たぶん弦楽器のストラディバリウス等を意識してのご質問かと思いますが、如何に高級ピアノであれ資産価値はあまりないように思います。

(故)ジョンレノンが愛用していたピアノが何千万で売れたという話を聞いたことがありますが、超有名人が愛用していたピアノなら、例外的に熱狂的なファンが高額で購入することもあるようです。



なかには遺産相続の時にはどうなりますか?というご質問もありますが、ピアノの法定償却年数は確か5年?ほどですので、1千万で購入したピアノを遺産として受け取る場合は5年で資産価値がほぼゼロになるので、20年後に400万円で売却できればそれは含み益と考えられます。

ピアノが古い弦楽器と評価が違うのは、弦楽器は構造がシンプルな故に、古くなっても故障が少なく修理も簡単ですが、ピアノは消耗部品や接着部分が無数にあるので、古くなってオーバーホールしようとすると新しく国産ピアノ1台分位の修復コストがかかるのが古い弦楽器と異なるところです。

あえてピアノの資産価値を考えると、最近注目が高まっているファツィオリではないでしょうか、歴史が長く年産数千台のスタインウェイは市場に中古品も多いのですが、ファツィオリは歴史も浅く年産130台程度なので、市場に中古品もほとんどないので、程度の良いファツィオリであれば高値でも購入希望の方が多いと思います。



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