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ピアノの雑音と共鳴について

広いショールームやホール等では気がつきにくいのですが、相対的に狭いご自宅の部屋等でピアノを弾いた場合、少し耳が慣れてくると雑音や耳障りな共鳴が気になることがあります。

雑音等は、そこに意識が行くようになると自分の意識が拡大してきて不快感が増大してきますのでなかなか厄介な問題です。

よくある雑音として、中音~高音部のシャリシャリといった鈴の鳴るような雑音が良く起こり、少し古くなると出やすくなります。

今ではピアノの構造にアリコート(共鳴弦)という仕組みが主流で、ヤマハ、カワイ、スタインウェイ等、多くのメーカーが採用していますが、この仕組み(考え方)は、あえて弦の振動する部分だけでなく振動しない弦の部分にも共鳴させて倍音を発生し、輝いた響きを出そうという考え方です。

逆に弦の端から端まで鳴らさず(雑音?)、料理の際にニンジンや大根の両端をカットする(極力鳴らさないようにする)考え方があり、こちらの方が長く聴いていても疲れず、気持ちが安らぐという考え方で、ディアパソンが基本的にその考え方です。

ディアパソンの設計者の大橋幡岩氏の弟子の乗松氏が語るディアパソン

浜松からディアパソンピアノの設計者として有名な、故、大橋幡岩氏に直接指導を受けたと云われる乗松氏が、かつて岡山の弊社まで若手の指導ということで、1泊で浜松からわざわざ来て頂いた時の写真です。弊社2Fにて



乗松氏が云うには、今の日本には、もう、一からピアノを設計できる人はいなくなった、日本人でピアノ全体を一から設計出来る人は、恐らく大橋幡岩氏が、最後の人であろう、ということでした。


今は部分、部分の細かい数値はコンピューターで設計するようだけれども、やはりピアノ全体のことを考えて、一から設計するのは明らかに人間の方が優れていて、そのような意味で、コンピューターよりも人間の方が優れているというお話でした。

その例として、ピアノの特性を決定する大きな要素の一つに金属フレームがあります
フレームにより弦の張力や弦の太さが微妙に異なってきて、ピアノの特性が変わります。

あまり大きな声では言えないけれども、日本の大手メーカーのピアノは、少し古くなると、高音部の張力の強い細い弦が、フレームの下に食い込んできて高音部がシャリン?シャリン?とした安っぽい音になることがあります。

それが大橋氏の設計したフレーム、大橋フレームでは不思議なことに、そのようなことが起こらないのだそうです。

考え方や好みの問題で優劣はないのですが、高音部のシャリシャリというような雑音は、構造上、前者のアリコート方式によって、新品からでも出ることがありますし、少し古くなるとシャリシャリしたような音が出る傾向があります。


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資料をご覧になった方の感想

弦楽器や他の楽器と違うピアノならではの特殊性をご理解頂くためのもので、一旦ピアノの特殊性をご理解頂くとピアノという楽器に対する概念や対処も大きく変わり、これまで以上にピアノと良い関係が築けます。

浜松ピアノ店代表 植田信五 

筆者プロフィール


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


好みのスタインウェイが1台もなかったエピソード

世の中に万人が良いというピアノは存在しないことをご理解頂くために、過去のご契約時のエピソードをご紹介させていただきます。

①1台も気に入ったスタインウェイがなかった

ピアノ講師の方ですが、スタインウェイが好きで結婚を機にスタインウェイを購入すると決めていたそうで、それまで何軒ものピアノ屋さんのスタインウェイを試弾して回られたそうですが、1台も気に入ったスタインウェイはなかったそうです。



ということで弊社にもお母さまとご一緒に三重県からご試弾に来られましたが、やはり弊社のスタインウェイも好みのスタインウェイでなかったようです。

そこでどのようなスタインウェイがお好きなのか詳しくお聞きして、彼女の好みのスタインウェイに仕上げることにしましたが、タッチと音色(整音)の変更には数時間は必要なのでその間に日本三大名園と云われる岡山の後楽園にご案内しました。

待つこと数時間、後楽園から店に帰って再試弾されたスタインウェイですが「これこれ、これが私が探していたスタインウェイ」ということでご契約いただきました。

岡山の名所と云えば後楽園




②スタインウェイの同型3台を試弾するもイメージと違った

もう一件ご紹介しますと、弊社でスタインウェイをご試弾頂き、後日スタインウェイジャパンで新品の同型を3台からの選定になり、一通りご試弾いただきましたが「どれも自分のイメージしたスタインウェイと違う」ということで購入を見合わせるということになりました。

後日、お好みを詳しくお聞きしてから弊社の展示スタインウェイを思い切ってお好みの音色とタッチに仕上げてからご試弾いただきましたところ、このスタインウェイが欲しいということでその展示現品をご購入頂きました。

実はホロヴィッツはスタインウェイがあまり好きではなかった

余談ですが、ホロヴィッツはスタインウェイアーティストとして知られていますが、実はホロヴィッツはスタインウェイの音色もタッチもあまり好きでなかったそうですが、それを専属調律師のフランツ・モアさんがホロビッツ好みのスタインウェイに苦労して仕上げたそうです。

ピアノという楽器はイージーオーダーという考え方があります

 

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浜松ピアノ店代表 植田信五 

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植田 信五


ピアノの音色はハンマーの品質で向上します!

ピアノのハンマーは代表的な消耗品で音質や音色の寿命に関する大切な部品です


車に例えるとちょうどタイヤの役割に似ており高級タイヤの履き替えると乗り心地等が良くなるのと似て、ハンマーフェルトの品質(硬さや形状等)によって、音やタッチの質感までもが変わります。

カンカンと派手な音、モコモコしたりまろやかな音、こうした音質の違いは実はハンマーフェルトが“硬い”か“柔らかいか”による影響が大きいわけです。

今ではヤマハ、カワイなど大手メーカーはハンマーは基本的に自社生産していますが、ヨーロッパには老舗の部品専業メーカーがあり、なかでも独のレンナー社が有名で、スタインウェイやペトロフ等のヨーロッパのピアノメーカーが採用しており、他にはアベル(独)、ロイヤルジョージ(英)も有名です。

左からスタインウェイ、ヤマハ、カワイ


左から レンナー アベル ロイヤルジョージ


ピアノを弾き込んでいくとハンマーに弦の溝がついてくるので、この弦溝をなくすためにハンマーを削ってファイリング(整形作業)をして、この作業を繰り返していきますので段々ハンマーの肉厚が薄くなっていきます。

ハンマーの新旧の比較

弦溝がついてくるのでこれをファイリング(削り)ハンマー全体の形状を整えます


上部がペッタンコになったハンマー

ハンマーをファイリングしています




余談ですが、浜松のベテラン職人さんの話によると「ヤマハのハンマーは新品の時は好いんだけれど、ファイリング(削る)すると一気に音色の線が細くなるダニ、最初からそんな風に作ってあるんだろうね」とのことでした。

この職人さんのお奨め交換用のハンマーはドイツ製のアベルですが、ドイツのレンナーやアベルのハンマーは、ハンマーを削っていっても最後まで性能が劣化せずに使いきることが出来そうですので、最初から上質なハンマーを使う方が得策のようです。

仕上げの整音作業で同じピアノでも音色が大きく変わります。


最近は古いハンマーを交換することが多くなりましたが、相当な手間がかかるのでハンマー交換には20万円から100万円以上の費用がかかります。

国産ピアノではディアパソンがレンナーハンマーを使用しています

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