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出荷調整(プレップ・アップ)という言葉をご存じですか?

あまり聞き馴れない言葉ですが、出荷調整とはお客様宅に納品する前にメーカーまたは販売店が行う調整作業のことです。

車の最終検査の誤魔化しが問題になっていますが、ピアノの場合は検査の規制はないで多少、タッチや音色にむらがあり弾き難くても故障でない限り問題にならないので、ヤマハ、カワイの大手メーカーでも私が調べたところ、塗装の不具合、雑音や機能を数時間のチェックで完了しているようです。

実は一通りの出荷調整には新品で3日、中古品ならその倍の作業時間が必要ですが、なんで新品でも3日間も時間をかける調整が必要なのか?と一般の方は疑問に思われると思います。

ピアノに丁寧な出荷調整が必要な訳は?

ピアノは。鍵盤を通じてリモートコントロールで打弦する仕組みで、しかも木材を主体にフェルトやクロス、金属のピンが微妙にリンクしているので、それらの伸縮や歪みを修正してから、それらの擦り合わせ調整が必要な楽器だということです。もちろん日頃のメンテナンスでもこれらの微調整が必要なことですが。

ピアノの性能、つまり演奏者が意図したようなに音色や弾き心地をピアノなりに高めるには、これらの丁寧な調整が必要不可欠なのですが、大変な手間がかかるので、今では1千万円クラスのスタインウェイでも出荷調整が5時間に制限されているほどですから、まして他のピアノはそれ以下の作業時間になっています。

メーカーの姿勢がそうであれば、足らずは販売店で行うしかないのですが、販売店にはそのような習慣がなくメーカーから仕入れたものをそのまま納品して調律をしてお引渡しが完了となっています。



下記の記事をご覧いただくと出荷調整のことが良くわかります

丁寧な出荷調整(納品前の調整)で本当のピアノの性能が決まります!


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


中古ピアノの落とし穴とは?№2

けして中古ピアノ=劣るピアノという訳ではありません。むしろ主材料の木材は年数経過すると固く強固になるという木材の特性から、古い弦楽器と同様に楽器としての基本性能は古いピアノの方が優れているます。

ですから古いピアノでもしかるべき調律師がきちんと手を入れた(整調と整音)ピアノなら、今の同クラスの新品ピアノよりタッチも音色も魅力的なものになるはずですが、安く販売するために手間がかかる整調と整音が省かれている中古ピアノが大半なので中古ピアノ=劣るという評価になります。

さらにピアノは内部に複雑にリンクした消耗部品(弦、ハンマー、フェルト類)が多く、それらの消耗部品の劣化が大きいものは交換が望ましいのですが、これは車のタイヤ交換のように簡単にいかず、しかも単に交換すれば良いという訳ではなく、その交換、取り付けも調律師の技術力や意識レベルにより出来上がりに大きな差が出ます。

代表的な消耗品のハンマーの新旧の写真ですが、先が平らなのはそろそろ交換の必要があります。


中古ピアノ代表的な消耗部品のハンマー交換

ハンマーを交換するとハンマーの重さも変わるので鍵盤の鉛調整も必要になります


ハンマー交換の際には、同時に鍵盤の鉛調整が必要です!

弦も消耗品なので交換の必要がありますが、長年使うとチューニングピンの穴が大きくなり弦が緩み(調律が狂う)易くなるので、弦の交換時にピンを一回り太いもの替える必要もあります。


低音域の巻き線も古くなるとジン線やボン線と呼ばれる異音が出る傾向がありますので張り替えが望ましく、張り替えの場合は、できれば高級な手巻きの巻き線に張り替えます。


ピアノ内部にはたくさんのフェルトやクロスが使われていますが、これらの劣化があるので、これらの貼り換えや、擦りあわせ調整の必要があります。


最近、都内在住のピアニストからスタインウェイの弦、ハンマー、フェルト交換のご相談があり、関東の2社から修理見積もりを取りましたが安いところが120万円、弊社の友人のところが200万円でしたが、この差をどう見るかです。

弊社でオーバーホールした1965年製のスタインウェイのセミコンサートピアノ。



同じ作業でこの価格差は何が違うのか?安いところでやったら何が問題なのか?


これは業者内の評判から判断するしかないのですが、安くても弦の張り方やハンマーの取り付け等を歪んだまま一旦取り付けられると、これを後から正しく修正するのは容易ではなく、結局二度手間になる可能性が高いので、その意味でも余程信頼できる業者、と云うよりも信頼できる調律師に最初から依頼するしかないわけですが、一般の方には見分けがつかないと思います。

有名ブランドのヤマハ、カワイ、スタインウェイと云えども若く優秀な技術者がほとんど育っておらず(育てるという考えがない)かといってあまりベテラン過ぎるのもどうかと考えると技術者選びも難しく、最終的には信頼できる人脈に頼るしかありません。

最近は人手不足でどこの業界も同じかと思いますが、特にピアノ業界は、長い間、若くて優秀な調律師は育っていない(育てていない)ので、後10年もすると調律は出来ても、まともに整調・整音できる調律師はほとんどいなくなるのではと危惧しています。

わかりづらい中古ピアノの問題点

浜松ピアノ店スタッフ紹介

中古ピアノのメリットとデメリット

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


中古ピアノの落とし穴とは?

手間のかけ方次第で、価格も性能も大きく変わるのが中古ピアノです



中古車の場合は年式と走行距離で販売価格が決まりますが、中古ピアノは車と違いなりプロでも良し悪しの見分けが難しく、内部を詳細に観察した上で時間をかけて試弾してみないとその価値がわかりません。

中古ピアノは今までの癖をリセットしてから新品以上に丁寧に調整しないと本来の性能を発揮しないので、とありあえず安価な中古ピアノをとお考えの方が多いと思いますが、安価な中古ピアノは本来の性能がスポイルされているピアノが大半です。

新品と違い前のあるいは前々のユーザー癖や設置環境の影響を受けていますので、これをリセットしてから丁寧な調整を施すと中古ピアノも悪くない(むしろ今の下手な新品より良い)のですが、そこまで手を入れると安価な中古ピアノの販売は難しいので、多くの中古ピアノは外装磨きと故障修理くらいで販売されているが実情で、多くが弾き難く本来の性能を出していない中古ピアノが大半です。

しかも購入者もピアノ初心者が多いため、試弾しても違いが判らない方が多いので、すぐにはクレームにはなりませんが、少しピアノを弾かれるようになると多くの不満が出てくるのが常です。

これをご自宅にお邪魔してその中古ピアノを再調整することも可能ですが、多くの時間がかかり効率も悪く、時にはお預かりする必要も出てきます。

そのような背景から中古ピアノを購入された後から性能(特にタッチ)の不満についてご相談頂く方が多いので、購入前にピアノの基本的な構造について良く研究してください。

代表的なご相談例

中古を今年納品したばかりなのです、、それも清水の舞台からなんたら〜の気持ちでの購入です。音色が好きで購入したのですが、鍵盤の重さまでは想定範囲外だったわけです。
ある程度なら気にしないですが、70gオーバーでは、、腱鞘炎を心配するレベルかと、、せめて60gを切るくらいなら良しとするのですけどね、手、指が痛くなるなんて、、なにより気持ちよくなが〜く弾きたいのに。




中古ピアノのメリット・デメリット

  弊社の中古ピアノが商品になるまで

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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