[ ]弊社独自のアップライトピアノの出荷調整(前篇)
弊社が納品するピアノは独自の出荷調整で快適なタッチと音色に仕上てお届けしています。
北海道に納品予定の新品フォイリッヒ122¥1.166.000(税込)がようやく入荷したので出荷調整を始めます。特に問題なければアップライトの出荷調整は3日間くらいで完了します。
このピアノはドイツの老舗ブランドですが、今は中国の№3の規模のハイルーンというメーカーで委託生産されていますので中国製という表示になります。
余談ですが中国製で116万円ですので、本来の日本製(浜松製)のピアノなら、常識的に考えて少なくともこれの倍くらいの値段になると思いますが、何かおかしい?と思いませんか。
ちなみに中国の№1はパールリーバー(国策会社)、№2は杭州ヤマハで三番手がパールリバーになります。
お薦めブランド フォイリッヒ
弊社独自のフォイリッヒの出荷調整(前編)
まずはチューニングピン約230本磨き直します。
高音部の弦の間隔も不均等だったので弦を移動させて揃えました。
年数が経つと弦がだんだんめり込んできて移動が難しくなるので、新品の早いうちに適正な位置にもってきます。
鍵盤のピンも176本を磨き直します。
新品でも日に日に汚れてくるんです。
磨き終えたらマックルーブでコーティング。
油と違い膜を張るので錆びにくく滑りもよくなり、雑音処理等でピアノのアクションパーツにも使用します。
フロントキーピンの向きも同じ向きに揃えます。
鍵盤のブッシングクロスは雑音防止と摩耗を最小限にする目的でテフロンパウダーを擦り込みます。
バランスキーピンも位置を修正します。
鍵盤の奥のキャプスタンスクリューも磨き直し、左右で輝きが違うのがお分かりでしょうか。
鍵盤を左右に揺すって遊びを揃えます。
全体的にガタ気味だったので針を刺して隙間を狭くしました。こんな時短めのピッカー(整音時の針を刺す工具)が役に立ちます。
今度は持ち上げて元の位置に戻るか確認。
ハンマーの傾きも前進させて動きを見ながら修正。
ハンマーの先端の間隔を揃えて全体を前進させて動きを確認。
この2枚の写真でハンマーの間隔が変わったのがお分かりでしょうか。右から3番目、5番目、7番目のハンマーが右に動き、4番目6番目が左に動いています。これをハンマーの走りといいます。「右に走ってる」みたいな使い方です。
これは4番目のハンマーを右に走らせるためにフレンジというパーツの右の部分に数種類の厚みの紙(ノリがついてる紙)を貼り付けて動きを変えます。
調整後の写真です。
これで間隔が均等になった弦と、間隔が均等で動きも真っ直ぐになったハンマーを合わせてど真ん中に当たるようになります。
中低音も調整。
中低音は弦が移動できない(固定されている)ので、先程とは逆に左右に走らせてど真ん中に当たるように調整します。
ハンマーの間隔調整が出来たら次はその下にあるウイペンという部品を合わせる調整。
鏡を使ってジャックという部品の位置を確認して出来る限り真ん中にいくように調整。
OK
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間違いだらけのピアノ選び ~ 目 次 ~
【第一章】大半のピアノが本来の性能を発揮していない
◎ピアノは8千個の部品◎ピアノはリモートコントロールで打弦する楽器
◎仕上げが整音
◎試弾は調整されたピアノでないと意味がない
◎ピアノはセミオーダーの楽器です
【第二章】調整によるエピソードのお話
◎中古ピアノが高い勉強代に
◎安価でも高級ピアノより魅力的
◎ブランドを信じて購入したが失敗
◎調整が自慢のシゲル・カワイでも不満
◎値段ほど差がない高級ピアノ
◎好みのスタインウェイがなかった
◎丁寧な調整でヤマハでも満足
◎好みのスタインウェイを求めて
◎スタインウェイはトリルができるがヤマハは?
◎ヤマハは温泉に浸かったような音?
◎ピアニストと専属調律師のお話
◎腱鞘炎になって困っている
【第三章】中古ピアノの問題点
◎中古ピアノは安かろう、悪かろうが多い
◎さらなる中古ピアノの問題点
◎古いピアノは楽器としての性能が良いか?
【第四章】調整シーンを写真でご案内
◎グランドピアノの調整作業
◎アップライトの出荷調整作業
【第五章】主に中国で生産される現代のピアノ
◎最近のピアノの生産事情
◎ファースト、セカンド、サードラインという業界用語
◎メードインチャインナ&浜松ピアノ店フィニッシュ
【第六章】日本のピアノ事情
◎毎年減少する日本のピアノ市場
◎余談ですがスタインウェイについて
【第七章】筆者のブランド選びの見解
◎コストパフォーマンスが高いか否か
◎ピアノは素材という考え方
◎メンテナンスについて
グランドピアノの3日間の出荷調整作業を動画でお見せしていますが、丁寧な調整でいかなるピアノであれ性能(タッチ、表現力)が大幅に向上することがご理解頂けます。
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