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ピアノの生産国表示も、今ではあてにならない。

中国№3のハイルーン社の広報誌、ここは主にヨーロッパメーカーのピアノを委託生産しているところです。



中国の三番手の規模のハイールーンの社内報より


現在は中国が世界最大のアコスティックピアノの消費国であり生産国ですが、13億の人口を持つ中国ですのでこれからもピアノの販売が伸びるものと思われます。

しかし他国から中国へピアノを輸出すると35%という高率の貿易関税(日本への輸入は関税ゼロ)を中国に取られるので、今は日本のヤマハ、カワイをはじめヨーロッパの老舗メーカーも、自社のピアノを中国で生産し中国で販売(関税がゼロ)、残りを中国から世界に輸出するという仕組みになっています。

日本やヨーロッパのピアノメーカーも、今は中国で委託生産しています。上位3社の生産状況

№1 広州 パールリバー 国営     年間生産台数 約8万台
№2 杭州 ヤマハ    外資(日本) 年間生産台数 約5台台
№3 ハイルーン     民営     年間生産台数 約4万台

他にも中国には30社以上のピアノメーカーがあると云われています。

業界用語で製造ラインのことをファースト・ライン、セカンド・ライン、サード・ラインと区別して呼ぶことがあります。

これは本国で全て製造されたものがファースト・ライン、他国(中国、インドネシア)で製作をした後、部材として輸入、本国で最終仕上げしたものがセカンド・ライン、全て他国で委託生産されたものがサード・ラインというような意味で使われます。

本来の意味での日本製、ドイツ製はファースト・ラインですが、前述の事情でヤマハ、カワイをはじめヨーロッパの老舗ブランドも、その多くがセカンド・ラインかサード・ラインで製造されており、今ではファースト・ラインは一部の高級ブランドか高級品に限られます。

ピアノの場合は最終組み立てをした国を生産国とする業界ルールがありますので、ファースト・ラインに加えセカンド・ラインまでが、日本製、ドイツ製等の表示がされています。

ハイルーンで委託生産されたオーストリアの老舗ブランド、ウェンドル&ラング 2Fに展示中です


お薦めブランド ウェンドル&ラング

お薦めブランド フォイリッヒ

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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