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日本製と欧米製の違いについて 日本製ピアノの特徴

みんなのピアノ選びから抜粋

日本製ピアノの特徴

日本のトップメーカーの生産するピアノは、相対的に工業的な面(部品の加工技術や寸法的な精度)において、非常に優れているように感じます。
世界の各メーカーをみても高い水準にあることは間違いありません。



88鍵のタッチを均一に弾きやすく仕上げるためには、アクションや鍵盤等の各部品にゼロコンマ単位での精度が要求されます。
その点、より正確に造られている日本製ピアノは調整しやすく、鍵盤のタッチ感が比較的きれいに揃えられるので、多くの調律師が作業に助けられているのではないでしょうか。



ただピアノの奥が深いところは、いくら精度が完璧であっても、楽器の魅力はまた別であること。
日本のメーカーは良くも悪くも工業品として製造するためでしょうか、音の響きがやや平面的な印象を受けることがあります。



この理由としては、楽器の要である響板を人工的に乾燥させて短期間で生産する工程が、ピアノの響きに少なからず影響を与えているように思います。もっとも、そのハイテク技術のおかげで、ピアノの大量生産と一般家庭でも手の届きやすい低価格が実現可能となっている訳ですが…。



何はともあれ、性能と価格のバランス、つまりコスト・パフォーマンスを考えるならば、日本製ピアノは全般的に優秀と言って良いでしょう。

一定の品質基準のもと製造されていると言えど、そこは生の楽器。日本製であっても音やタッチには個体差が存在するのでご注意を。

みんなのピアノ選び
 
お薦めブランド ディアパソン

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノのタッチが変? 簡単セルフチェック №6

みんなのピアノ選びから抜粋

アフタータッチのチェック ※グランドピアノのみ

いよいよアフタータッチのご紹介となりました。
これはグランドピアノだけに備わる便利な機能。トリル、連打、微弱音が欲しい場面でアップライト以上にデリケートな表現を可能にします。

では実際にアフタータッチを確かめてみましょう。
音を出さないよう鍵盤をゆっくり押し下げて下さい。底に達する1mmほど手前で何かトクンと引っ掛かって抜ける感触がありませんか?
それがアフタータッチになります。意識を指先に集中して下さいね。

白鍵アフタータッチの目安。グランドピアノならば少し鍵盤を戻すだけで再度同じ音を出せます。


アフタータッチの適量については、メーカーや機種の違い、調律師や弾き手の好みもあるので、私も説明に悩むところです。
極端に量が多いと、ドクン!と手ごたえが強いために、なんだか弾き心地もゴツゴツした感じになります。…トクッ…と量が少なすぎるのも、キーボードのようなコシがないタッチになってしまいます。
やはり言葉で表すなら、トクンくらいの上品な反応がベターですね。機会あれば店員に気付かれぬよう店のピアノで確かめましょう(笑)。

もちろんアフタータッチは白鍵も黒鍵も同じ感触であるのが理想的。
全ての鍵盤を均一なトクンに揃えるのも調律師の仕事になります。
この調整は、鍵盤の高さ、深さ、アクションの調整等、調律師が積み重ねた作業の言わば総決算。このような数々の過程を経て、ようやくピアノが工業製品から表現豊かな楽器へと生まれ変わる訳です。

黒鍵はこんな感じ。そう、実は先に述べた黒鍵深さはアフタータッチの感触で調整するのです


ご自身のピアノのアフタータッチをチェックして、きれいに揃っていたら調律師のメンテナンスとあなたのピアノ管理が順調であるという証!
バラツキがあれば、あなたの演奏もピアノもレベルアップする余地が残っているということ。うちのピアノは…などと諦めてはいけません。

グランドピアノのアクション模型


グランドピアノで練習している皆さん、もしアフタータッチが不揃いで、トリルや連打が弾きにくいと感じたならば調律師にこう告げましょう。「アフタータッチを調整してください」

みんなのピアノ選び

お薦めブランド ペトロフ

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノのタッチが変? 簡単セルフチェック №5

みんなのピアノ選びから抜粋

鍵盤の深さチェック 

鍵盤の高さが揃っていたら、鍵盤の深さになります。
「鍵盤を押し下げて底に沈むまでの量」ですね。
浅めの設定だと小回りが利くタッチのように感じますが、音の力強さが損なわれます。逆に深めの場合は、音にパワーをもたらす一方、弾き応えも増すので、中には重い硬いと思ってしまう人もいます。
鍵盤ごとに極端な深さのムラがあれば、当然演奏も難しくなります。

この鍵盤の深さの基準寸法は、各メーカー共通してほぼ10mm。
ピアノの状態やお客様の好みによって深さを加減することもありますが、大切なポイントは「一律に揃っていること」で

定規を当てて深さをチェック。隣の白鍵を基準に上面をなぞって深いか浅いかを判断します。


深さの確認は、専用定規(あがき定規)を白鍵に押し当てながら行うのですが、一般ユーザーでも出来るチェックをご紹介。“底ざらい”とも呼ばれ、調律師が深さの均一性を最終確認する方法です。

白鍵の底ざらいで“深さの凸凹”を再度チェック。指先は微妙な段差を感じ取ってくれます。


まず白鍵を4つ(または3つ)各指の力が均等になるよう意識しながら底まで押し下げます。(このときギューと押しつけ過ぎないこと!)
そしてもう片方の手の指で白鍵の上面を横になぞってみて下さい。
深さが不揃いであれば鍵盤の境で指先に凸凹を感じるはずです。

慣れるまでは指によって力の差が生まれるので、ひとつ隣の鍵盤にずらして別の指に替えて再確認してみると良いですよ。

黒鍵の深さについては、沈めた状態で2mmほど頭が見えていれば(高さ12mm-深さ10mm)、ここではOKとしましょう。
(実際には調律師は別の方法で深さを確認して調整しています)

沈めた状態で黒鍵の先端がおよそ2mm見えていれば良し。(本当はもっと緻密に測定します)


今回ご紹介した“底ざらい”は、隣り合った白鍵の凸凹を探す方法。
例えば、すべて11ミリの深さで均一であったり、低音にいくに連れて少しずつ深くなっていたり…、そうした状態を見抜くためには、やはり専用定規が必要であり、調律師でなければ判断は難しいです。
鍵盤の高さ同様、深さも次第に変化します。極端な凸凹を発見したら調律師にこう依頼しましょう。

鍵盤の高さ同様、深さも1鍵ずつパンチングペーパー(ドーナツ状の紙)を出し入れして調整。


「鍵盤の深さ(鍵盤あがき)を調整してください」

みんなのピアノ選び

お薦めブランド  ペトロフ

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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